海洋性ピコプランクトンによるビタミンの産生と相互利用

ビタミンB1(チアミン)は高等動物などでは体内で生合成ができないため, 外界から摂取しなければならない必須の栄養素である. 微生物や植物ではビタミンB1はde novoに生合成され, それはビタミンB1の部分構造であるピリミジン部とチアゾール部のリン酸エステルが生成されたのち, ピリミジン部とチアゾール部が縮合して生成される. そのピリミジン部とチアゾール部は生物種により生合成経路が異なるが, ピリミジン部とチアゾール部が縮合して生成される経路はビタミンB1を生合成する生物に共通した反応系である. ところが, 海洋生物であるピコプランクトンを用いた研究で, 新しいビタミンB1生合成経路が存在す...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2018/03/25, Vol.92(3), pp.132-135
Hauptverfasser: 田鶴谷(村山), 惠子, 廣村, 信
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ビタミンB1(チアミン)は高等動物などでは体内で生合成ができないため, 外界から摂取しなければならない必須の栄養素である. 微生物や植物ではビタミンB1はde novoに生合成され, それはビタミンB1の部分構造であるピリミジン部とチアゾール部のリン酸エステルが生成されたのち, ピリミジン部とチアゾール部が縮合して生成される. そのピリミジン部とチアゾール部は生物種により生合成経路が異なるが, ピリミジン部とチアゾール部が縮合して生成される経路はビタミンB1を生合成する生物に共通した反応系である. ところが, 海洋生物であるピコプランクトンを用いた研究で, 新しいビタミンB1生合成経路が存在する可能性がごく最近報告された. プランクトンは海洋性の浮遊生物で, 様々な種類が知られており, そのサイズによってフェムトプランクトン(0.02~0.2μm), ピコプランクトン(0.2~2μm), ナノプランクトン(2~20μm), ミクロプランクトン(20~200μm), メソプランクトン(0.2~2mm), マクロプランクトン(2~20mm), メガプランクトン(20~200mm)などに分類される.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.92.3_132