メナキノンカルボン酸誘導体の系統的合成と抗炎症および肝癌細胞増殖抑制作用
「1. はじめに」脂溶性ビタミンのひとつであるビタミンKは元来, 血液凝固に必要な因子として発見され, γ-グルタミルカルボキシラーゼ(GGCX)の補酵素として, ビタミンK依存的タンパク質のGlu残基のγ-カルボキシル化(Gla化)を介して, 血液凝固や骨代謝に関与することが知られている. Gla化タンパク質として, プロトロンビンなどの種々の血液凝固因子のほか, オステオカルシンなどの骨関連タンパクが知られており, ビタミンKは血液凝固のみでなく骨のホメオスタシスにおいて重要なビタミンである. 一方で今世紀に入り, ビタミンKがGGCXの補酵素としての機能の他にも様々な生物活性を示すことが...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2016, Vol.90(5-6), pp.253-260 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」脂溶性ビタミンのひとつであるビタミンKは元来, 血液凝固に必要な因子として発見され, γ-グルタミルカルボキシラーゼ(GGCX)の補酵素として, ビタミンK依存的タンパク質のGlu残基のγ-カルボキシル化(Gla化)を介して, 血液凝固や骨代謝に関与することが知られている. Gla化タンパク質として, プロトロンビンなどの種々の血液凝固因子のほか, オステオカルシンなどの骨関連タンパクが知られており, ビタミンKは血液凝固のみでなく骨のホメオスタシスにおいて重要なビタミンである. 一方で今世紀に入り, ビタミンKがGGCXの補酵素としての機能の他にも様々な生物活性を示すことが明らかになってきた. 例えば, ビタミンK2のひとつであるメナキノン4 (MK-4)は, 核内受容体SXR (steroid and xenobiotic receptor, PXR (pregnane X receptor)のヒトホモログ)に結合し, 骨形成に関する標的遺伝子の転写を制御することや, 動脈硬化やガンの進行を抑制することが報告されている. |
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ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.90.5-6_253 |