ビオチン欠乏がラットの味覚に及ぼす影響
「緒言」ビオチンはビタミンB群に属する水溶性ビタミンの一種である. 生体内ではカルボキシラーゼの補酵素として糖新生, アミノ酸代謝, 脂肪酸合成などに関与している. ビオチンの欠乏症状として, 皮膚炎, 脱毛, 神経障害などがあげられ, 妊娠動物においては胎児の形態形成への影響も報告されている. また, ビオチンが欠乏すると, 尿中の3-ヒドロキシイソ吉草酸(3-HIA)の排泄量が増加する. ビオチンは生卵白中に含まれるアビジンと非常に強固に結合し, 吸収が阻害される. そのため, 大量の生卵白を長期間, 摂取すると, ビオチン欠乏が起こることが知られている. ビオチンは様々な食品に分布し,...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2016/02/25, Vol.90(2), pp.77-82 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」ビオチンはビタミンB群に属する水溶性ビタミンの一種である. 生体内ではカルボキシラーゼの補酵素として糖新生, アミノ酸代謝, 脂肪酸合成などに関与している. ビオチンの欠乏症状として, 皮膚炎, 脱毛, 神経障害などがあげられ, 妊娠動物においては胎児の形態形成への影響も報告されている. また, ビオチンが欠乏すると, 尿中の3-ヒドロキシイソ吉草酸(3-HIA)の排泄量が増加する. ビオチンは生卵白中に含まれるアビジンと非常に強固に結合し, 吸収が阻害される. そのため, 大量の生卵白を長期間, 摂取すると, ビオチン欠乏が起こることが知られている. ビオチンは様々な食品に分布し, レバーや卵黄などに多く含まれているため, 一般に通常の食生活ではビオチン欠乏は起こらない. しかし, 近年, 妊娠期間中に, ビオチンの血漿中濃度が低下して軽度のビオチン不足が起きていることから, ヒトの妊娠期におけるビオチン補給の必要性が示唆されている. |
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ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.90.2_77 |