小児科診療において経験する二次性低カルニチン血症

「はじめに」小児科診療において小児の栄養を考えることは非常に重要であり, 小児が成長・発達するためには適切な栄養が不可欠である. しかし, 近年の報告では, 二次性の栄養素欠乏症の報告が後を絶たない. 著者自身も, ビオチン, カルニチン, セレンなどの欠乏について報告をしている. 本総説では, 日常の小児科診療において, どの医師や診療科でも経験する可能性のある二次性低カルニチン血症について現状と対策を述べ, 二次性低カルニチン血症の発生予防につなげたい. 「カルニチンとは」カルニチンは, 生体の脂質代謝に関与するビタミン様物質で, 心筋, 骨格筋, 脳, 肝臓などのミトコンドリア内に存在し...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2015/12/25, Vol.89(12), pp.573-578
1. Verfasser: 野崎, 章仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」小児科診療において小児の栄養を考えることは非常に重要であり, 小児が成長・発達するためには適切な栄養が不可欠である. しかし, 近年の報告では, 二次性の栄養素欠乏症の報告が後を絶たない. 著者自身も, ビオチン, カルニチン, セレンなどの欠乏について報告をしている. 本総説では, 日常の小児科診療において, どの医師や診療科でも経験する可能性のある二次性低カルニチン血症について現状と対策を述べ, 二次性低カルニチン血症の発生予防につなげたい. 「カルニチンとは」カルニチンは, 生体の脂質代謝に関与するビタミン様物質で, 心筋, 骨格筋, 脳, 肝臓などのミトコンドリア内に存在している. 長鎖脂肪酸のミトコンドリアへの輸送, ミトコンドリア内のCoA/acylCoA比率調整およびアシル化合物をカルニチンエステルとして細胞内より除去し, 尿中へ排泄させる働きがあり, エネルギー産生代謝における重要な栄養素である.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.89.12_573