調理・加工食品中ビタミンB12の吸収効率 - 高齢者に適した食品の検討
「はじめに」 食品中のB12はそのほとんどが種々のタンパク質と強く結合しており, B12の体内への吸収には, 複雑な仕掛けが必要である. まず, 口腔内で食品が咀嚼を受けて唾液腺由来のハプトコリンと混合される. つぎに, 胃内に移動した食べ物のタンパク質は胃酸とペプシンによって消化され, B12は結合タンパク質から遊離する. 遊離したB12は, 酸性条件下でハプトコリンと結合する. B12と結合したハプトコリンは十二指腸に運ばれ, ハプトコリンが膵プロテアーゼによって部分分解される. この部分分解によりB12は再び遊離し, 胃壁細胞から分泌された内因子(IF)と結合して回腸のキュビリンを介して...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2014-06, Vol.88 (5/6), p.267-274 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」 食品中のB12はそのほとんどが種々のタンパク質と強く結合しており, B12の体内への吸収には, 複雑な仕掛けが必要である. まず, 口腔内で食品が咀嚼を受けて唾液腺由来のハプトコリンと混合される. つぎに, 胃内に移動した食べ物のタンパク質は胃酸とペプシンによって消化され, B12は結合タンパク質から遊離する. 遊離したB12は, 酸性条件下でハプトコリンと結合する. B12と結合したハプトコリンは十二指腸に運ばれ, ハプトコリンが膵プロテアーゼによって部分分解される. この部分分解によりB12は再び遊離し, 胃壁細胞から分泌された内因子(IF)と結合して回腸のキュビリンを介して吸収される. 一度の食事による胃内におけるIFの分泌量は, 2μgのB12で飽和される量に過ぎず, それより過剰のB12が摂取されても, その吸収は腸管からの拡散吸収に頼ることになる. この拡散によるB12吸収率は1~2%程度とされており, B12は一度の食事で2μg程度を目安に摂取すると最も効率よく吸収できることになる. |
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ISSN: | 0006-386X |