食品成分としてのスフィンゴ脂質の生理機能

スフィンゴ脂質は, 長鎖アミノアルコールであるスフィンゴイド塩基を共通骨格に持つ脂質の一群であり, 多種多様な分子種が存在する. 自然界に存在するスフィンゴ脂質は, スフィンゴイド塩基に脂肪酸が酸アミド結合したセラミドを基本構造に持ち, セラミドのスフィンゴイド塩基部分にリン酸コリンの結合したスフィンゴミエリンや, 糖の結合したスフィンゴ糖脂質などのかたちで存在している. グリセロリン脂質に結合する脂肪酸は, 飽和脂肪酸から多価不飽和脂肪酸まで多岐に渡るのに対して, スフィンゴ脂質に結合している脂肪酸は主に飽和または一価不飽和脂肪酸である. このためスフィンゴ脂質はコレステロールとの親和性が高...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2013/11/25, Vol.87(11), pp.605-609
Hauptverfasser: 酒井, 祥太, 光武, 進, 五十嵐, 靖之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:スフィンゴ脂質は, 長鎖アミノアルコールであるスフィンゴイド塩基を共通骨格に持つ脂質の一群であり, 多種多様な分子種が存在する. 自然界に存在するスフィンゴ脂質は, スフィンゴイド塩基に脂肪酸が酸アミド結合したセラミドを基本構造に持ち, セラミドのスフィンゴイド塩基部分にリン酸コリンの結合したスフィンゴミエリンや, 糖の結合したスフィンゴ糖脂質などのかたちで存在している. グリセロリン脂質に結合する脂肪酸は, 飽和脂肪酸から多価不飽和脂肪酸まで多岐に渡るのに対して, スフィンゴ脂質に結合している脂肪酸は主に飽和または一価不飽和脂肪酸である. このためスフィンゴ脂質はコレステロールとの親和性が高く, 生体膜上でコレステロールとともに「脂質ラフト」と呼ばれる機能的膜ドメインを形成し, 膜を介したシグナル伝達や細胞内分子輸送などに深く関わることが明らかになってきている.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.87.11_605