アワビ可食部におけるビタミンB12化合物の含有量と同定

「緒言」 ビタミンB12(B12)は, 水溶性化合物であり, テトラピロール様構造を有するコリン環の中心にコバルト原子が結合したユニークな構造をしている. コリン環コバルト原子には, 上方配位子と下方配位子が配位しており, B12の下方配位子は5, 6-ジメチルベンズイミダゾールを塩基とするヌクレオチドを有している1). B12は一部の微生物で生合成された後, 食物連鎖により種々の動物の体内で吸収・蓄積される. 従って, B12は主に動物性食品に含まれており, わが国では魚介類がB12の主要な供給源である2). 五訂増補日本食品標準成分表(食品成分表)において食品中のB12は, Lactoba...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2012-07, Vol.86 (7), p.390-394
Hauptverfasser: 谷岡由梨, 竹中重雄, 古庄律, 藪田行哲, 中野長久, 渡辺文雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 ビタミンB12(B12)は, 水溶性化合物であり, テトラピロール様構造を有するコリン環の中心にコバルト原子が結合したユニークな構造をしている. コリン環コバルト原子には, 上方配位子と下方配位子が配位しており, B12の下方配位子は5, 6-ジメチルベンズイミダゾールを塩基とするヌクレオチドを有している1). B12は一部の微生物で生合成された後, 食物連鎖により種々の動物の体内で吸収・蓄積される. 従って, B12は主に動物性食品に含まれており, わが国では魚介類がB12の主要な供給源である2). 五訂増補日本食品標準成分表(食品成分表)において食品中のB12は, Lactobacillus delbrueckii subsp. Lactis(旧名L.leichimanii)ATCC7830を用いた微生物学的定量法で測定されているが3), B12結合タンパク質の内因子を用いた化学発光法でも食品中のB12の定量が試みられている4).
ISSN:0006-386X