ヤツメウナギ細胞質レチノール結合タンパク質のキャラクタリゼーション

ビタミンAは視覚・生殖・胚発生・表皮機能維持など多くの生理機能に関与することが知られており, 我々ヒトでは血中濃度がおよそ2μMとなるように調節されている. このとき血中の余分なビタミンAを貯蔵・隔離し, 必要に応じて再び血中に放出するのが肝臓星細胞(伊東細胞ともいう)である1)2). ヒトはビタミンAをレチニルエステルとして動物性食品から, またβ-カロテンとして植物性食品から摂取している. レチニルエステルは小腸内腔でレチノールに加水分解され小腸上皮細胞に取り込まれるが, β-カロテンは小腸上皮細胞に取り込まれてからレチナール, さらにレチノールへと変換される. これらのレチノールは再びエ...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2012/06/25, Vol.86(5-6), pp.313-315
Hauptverfasser: 目崎, 喜弘, 森井, 真也子, 吉川, 究, 山口, 典子, 三浦, 光隆, 今井, 克幸, 吉野, 裕顕, 妹尾, 春樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ビタミンAは視覚・生殖・胚発生・表皮機能維持など多くの生理機能に関与することが知られており, 我々ヒトでは血中濃度がおよそ2μMとなるように調節されている. このとき血中の余分なビタミンAを貯蔵・隔離し, 必要に応じて再び血中に放出するのが肝臓星細胞(伊東細胞ともいう)である1)2). ヒトはビタミンAをレチニルエステルとして動物性食品から, またβ-カロテンとして植物性食品から摂取している. レチニルエステルは小腸内腔でレチノールに加水分解され小腸上皮細胞に取り込まれるが, β-カロテンは小腸上皮細胞に取り込まれてからレチナール, さらにレチノールへと変換される. これらのレチノールは再びエステル化されキロミクロンとともにリンパへ分泌され, やがて血中へ流れ込む. 血中のレチニルエステルは肝臓の実質細胞に取り込まれ, レチノールに加水分解された後に肝臓星細胞へ運ばれる3). 肝臓星細胞は取り込んだビタミンAを再びエステル化し脂肪の形で細胞質に貯蔵し, 必要に応じてレチノールの形で血中に放出する.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.86.5-6_313