公定法およびその修正法による食品中ビタミンD定量分析の試験室間共同試験

「緒言」ビタミンDは腸管におけるカルシウムの吸収を促進し, 骨の形成を助ける脂溶性ビタミンであり, 化学的には植物由来のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と動物由来のビタミンD3(コレカルシフェロール)がある1). 食品中に含まれているビタミンDは極微量である. そのため, 栄養表示基準におけるビタミンDの公定法2)では, 分析精度を上げるため高速液体クロマトグラフィ(HPLC)による精製を行う二段階HPLC法が採用されており, 日本食品標準成分表の作成においても同様の分析法が採用されている3). 栄養表示基準では, ビタミンDに関して一定の値が表示されている場合, 上述の公定法による分析...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2011/12/25, Vol.85(12), pp.645-650
Hauptverfasser: 竹林, 純, 谷中, かおる, 松本, 輝樹, 飯塚, 太由, 萩原, 拓幸, 布施, 浩二, 堀内, 匠, 美馬, 晴之, 安河内, 義和, 吉田, 幹彦, 山田, 和彦, 石見, 佳子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」ビタミンDは腸管におけるカルシウムの吸収を促進し, 骨の形成を助ける脂溶性ビタミンであり, 化学的には植物由来のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と動物由来のビタミンD3(コレカルシフェロール)がある1). 食品中に含まれているビタミンDは極微量である. そのため, 栄養表示基準におけるビタミンDの公定法2)では, 分析精度を上げるため高速液体クロマトグラフィ(HPLC)による精製を行う二段階HPLC法が採用されており, 日本食品標準成分表の作成においても同様の分析法が採用されている3). 栄養表示基準では, ビタミンDに関して一定の値が表示されている場合, 上述の公定法による分析結果が, 表示値の-20~+50%の許容誤差範囲内であることが定められている4). ここで示した許容誤差範囲は, 成分含量の製品間および製品内における変動に分析誤差を加えた値である. 一般的に, 化学分析では検体中の含量が微量となるほど分析値の変動が大きくなるため, 微量成分であるビタミンDの場合にも相応の分析誤差が考えられる.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.85.12_645