4. 地域在住高齢者における健康関連QOLと食事, 生活習慣の関連(pp.364-371)
QOLの概念をもとにした介護サービスの効果や健康への影響について多くの報告がなされている. 本研究は, 地域在住高齢者における健康関連QOLを評価し, 健康関連QOLに関わる因子を探索することを目的とした. 研究デザインは横断研究で行い, 対象者は, 群馬県の山間部に在住する高齢者(平均年齢72.7±0.3, n=179)である. 測定項目は, 健康関連QOL, 最大歩行速度, 老研式活動能力指標, 食物摂取状況, 身長, 体重, 血液生化学検査, 歩行数である. 健康関連QOLの評価には日本語版SF-36を用い, 身体的健康度(PCS), 精神的健康度(MCS)の2つのサマリースコアを算出し...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | ビタミン 2011, Vol.85 (2), p.100-101 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | QOLの概念をもとにした介護サービスの効果や健康への影響について多くの報告がなされている. 本研究は, 地域在住高齢者における健康関連QOLを評価し, 健康関連QOLに関わる因子を探索することを目的とした. 研究デザインは横断研究で行い, 対象者は, 群馬県の山間部に在住する高齢者(平均年齢72.7±0.3, n=179)である. 測定項目は, 健康関連QOL, 最大歩行速度, 老研式活動能力指標, 食物摂取状況, 身長, 体重, 血液生化学検査, 歩行数である. 健康関連QOLの評価には日本語版SF-36を用い, 身体的健康度(PCS), 精神的健康度(MCS)の2つのサマリースコアを算出した. PCS, MCSのサマリースコアを基準値より高いグループ, 低いグループに群分けを行った. また, PCS, MCSが両方高いグループ(BHグループ), 両方低いグループ(BLグループ)に群分けを行った. 最大歩行速度は207.7±2.8cm/secであり, 食物摂取量はエネルギーが2081±33kcal, タンパク質74.5±0.9g, 脂質60.7±0.9g, 炭水化物摂取量279.5±2.6gであった. また対象者の平均PCSは48.5±0.7, 平均MCSは56.9±0.6であった. 年齢別SF-36国民標準値をもとにPCSとMCSそれぞれを高値群, 低値群の2群に群分けを行った. ステップワイズ法によるロジスティック回帰分析を行った結果, PCSとMCSの低下には, 最大歩行速度のみが有意に関連していることが示され, 健康関連QOLと食物摂取との間には有意な関連はみられなかった. 本研究の結果は, 健康な高齢者が健康関連QOLを維持するためには, 最大歩行速度を維持することが有意義であることを示唆するものであろう. |
---|---|
ISSN: | 0006-386X |