5. ラットとヒトによる古典的一週間グリコーゲンローディング処方がファットローディングに及ぼす影響

本研究は, 古典的1週間グリコーゲンローディング法の骨格筋中への脂肪蓄積作用を明らかにすることを目的とした. まず, ラットを用いて1週間のグリコーゲンローディング処方が筋細胞内のグリコーゲンと脂肪貯蔵量に及ぼす影響について, 組織化学的方法により基礎的に検討した. 次に, ヒトを用いて1週間のグリコーゲンローディング処方が, 処方最終日の持久テスト運動中のエネルギー代謝の脂肪燃焼率を解析した. 6日間の実験食摂取期間の1日目にラットには疲労困憊となる水泳運動, ヒトには疲労困憊となる自転車エルゴメーター運動を行わせた. その後, ラット, ヒトともに, グリコーゲンローディング処方群には3日間高脂肪食, その後3日間は高炭水化物食を摂取させ, 高炭水化物食摂取群には6日間高炭水化物食を摂取させた. ヒトは6日間の摂食期間が終了した7日目に自転車エルゴメーターを使用した持久テスト運動を実施した. ラットを用いた実験では, 7日目に高炭水化物食摂取群と比較してグリコーゲンローディング処方群は骨格筋内脂肪量が69%高かった(p