ビタミンB12欠乏ラットの種々の臓器, 血清, 尿中のB群ビタミン含量

緒言 B群ビタミン8種類すべては, 酵素の補酵素として機能しているため, 体内動態が相互に影響を及ぼしているものと考えられる. 相互関係がよく知られているビタミンとして, 複合酵素系として研究されてきたα-ケト酸脱水素酵素系のナイアシン, ビタミンB1, ビタミンB2, パントテン酸がある1). さらに, ホモシステイン代謝に関わる葉酸, ビタミンB6, ビタミンB12がある2). そこで, 一つのB群ビタミンを欠乏させた時に, 他のB群ビタミンの体内動態がどのような影響を受けるのか否かを調べる研究を開始した. ビタミンの体内動態を研究するためには濃度を測定するだけでは極めて不十分であることは...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2011-01, Vol.85 (1), p.18-22
Hauptverfasser: 柴田克己, 河田哲典, 石田香織, 清水篤史, 守谷彩, 寺方美希, 佐野光枝, 福渡努
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言 B群ビタミン8種類すべては, 酵素の補酵素として機能しているため, 体内動態が相互に影響を及ぼしているものと考えられる. 相互関係がよく知られているビタミンとして, 複合酵素系として研究されてきたα-ケト酸脱水素酵素系のナイアシン, ビタミンB1, ビタミンB2, パントテン酸がある1). さらに, ホモシステイン代謝に関わる葉酸, ビタミンB6, ビタミンB12がある2). そこで, 一つのB群ビタミンを欠乏させた時に, 他のB群ビタミンの体内動態がどのような影響を受けるのか否かを調べる研究を開始した. ビタミンの体内動態を研究するためには濃度を測定するだけでは極めて不十分であることは言うまでもないが, 研究の第一段階としてそのビタミンの臓器中の濃度を知ることは何らかの手がかりをもたらすと考えられる. 8種類のB群ビタミン欠乏動物のすべての結果を得るまでには長期間を要するので, 今回はビタミンB12欠乏動物を作成し, 尿, 肝臓, 腎臓, 脳, 精巣, 血清中のB群ビタミン濃度を測定した結果を報告する.
ISSN:0006-386X