テトラヒドロビオプテリンの吸収,分布,排出 : 補充療法の可能性を探る(<特集>ビタミン・バイオファクターのトランスポーター[III])

【1. はじめに】 ビオプテリンは葉酸と同じプテリン構造を持つ複素環化合物である. 基本骨格はプテリジンpteridineである. 天然プテリジン誘導体の多くが「プテリン(pterin)」2-アミノ-4-ヒドロキシプテリジン(2-amino-4-hydroxypteridine)の基本構造を有している. プテリンに置換基のついたプテリン化合物を「プテリン」と総称することもある. プテリンのC6位にパラアミノ安息香酸とグルタミン酸を結合する葉酸グループは抱合型プテリン(conjugated pterin)と呼ばれるが, このように大きな側鎖をもたないプテリンは非抱合型プテリン(unconjuga...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2010/12/25, Vol.84(12), pp.577-588
1. Verfasser: 大橋, 晶子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【1. はじめに】 ビオプテリンは葉酸と同じプテリン構造を持つ複素環化合物である. 基本骨格はプテリジンpteridineである. 天然プテリジン誘導体の多くが「プテリン(pterin)」2-アミノ-4-ヒドロキシプテリジン(2-amino-4-hydroxypteridine)の基本構造を有している. プテリンに置換基のついたプテリン化合物を「プテリン」と総称することもある. プテリンのC6位にパラアミノ安息香酸とグルタミン酸を結合する葉酸グループは抱合型プテリン(conjugated pterin)と呼ばれるが, このように大きな側鎖をもたないプテリンは非抱合型プテリン(unconjugated pterin)と呼ばれる. ビオプテリンはC6位にジヒドロキシプロピル基をもつ代表的な非抱合型プテリンである(図1). ビオプテリンは, 葉酸と同様に酸化型(基底酸化状態), ジヒドロ型, テトラヒドロ型をとる. 酸化型葉酸は, ヒトをはじめほとんどの動物ではビタミンとして摂取され, 吸収のどこかの過程(おそらく腸管1))でジヒドロ葉酸へと還元される.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.84.12_577