3.アスパラギン酸デヒドロゲナーゼの多様性(第421回研究協議会研究発表要旨,ビタミンB研究委員会)

これまで自然界には, ほとんど存在していないと思われていたアスパラギン酸デヒドロゲナーゼ(AspDH)が, 1998年にビタミンB12生産菌Klebsiella pneumoniaより, 2003年に好熱性細菌Thermotoga maritimaより, 2006年には超好熱アーキアArchaeoglobus fulgidusより, 相次いで発見され, その分子特性, 三次元構造が報告されている. これらAspDHは, ゲノム解析により, いずれもNAD de novo合成経路の初発酵素として, L-アスパラギン酸より, イミノアスパラギン酸を生成する反応を触媒すると予想されている. すなわち...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2010/11/25, Vol.84(11), pp.562-563
1. Verfasser: 澤, 嘉弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:これまで自然界には, ほとんど存在していないと思われていたアスパラギン酸デヒドロゲナーゼ(AspDH)が, 1998年にビタミンB12生産菌Klebsiella pneumoniaより, 2003年に好熱性細菌Thermotoga maritimaより, 2006年には超好熱アーキアArchaeoglobus fulgidusより, 相次いで発見され, その分子特性, 三次元構造が報告されている. これらAspDHは, ゲノム解析により, いずれもNAD de novo合成経路の初発酵素として, L-アスパラギン酸より, イミノアスパラギン酸を生成する反応を触媒すると予想されている. すなわち, in vitroでは, 加水分解による酸化的脱アミノによりオキサロ酢酸(OAA)を生成してしまうが, 細胞内でキノリン酸合成酵素(NadA)と複合体を形成することにより, AspDHの反応中間体イミノアスパラギン酸をNadAの活性中心まで分子間トンネルで輸送していると予想されている.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.84.11_562_2