10.酢酸菌のグルコン酸酸化にかかわる第3の膜酵素・FADグルコン酸脱水素酵素(第419回研究協議会研究発表要旨,ビタミンB研究委員会)
酢酸菌は, ペリプラズムで機能する酸化呼吸鎖に依存して, 様々の有用物質を生産することができる特異なバクテリアで, この反応を「酸化発酵」と呼んでいる. 私どもは, 酢酸菌の酸化発酵能の1つであるケトグルコン酸発酵について, その反応に関与する膜結合型キノプロテインやフラボプロテインの研究をすすめている. Gluconobacter属酢酸菌のケトグルコン酸発酵では, グルコースからPQQグルコース脱水素酵素によって, グルコノラクトンに変換され, それは細胞膜上に存在するラクトナーゼもしくは中性からアルカリpHで自然にグルコン酸に変換される. 生じたグルコン酸は2つの酵素によって, 2-ケトグ...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2010/06/25, Vol.84(5-6), pp.275-276 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 酢酸菌は, ペリプラズムで機能する酸化呼吸鎖に依存して, 様々の有用物質を生産することができる特異なバクテリアで, この反応を「酸化発酵」と呼んでいる. 私どもは, 酢酸菌の酸化発酵能の1つであるケトグルコン酸発酵について, その反応に関与する膜結合型キノプロテインやフラボプロテインの研究をすすめている. Gluconobacter属酢酸菌のケトグルコン酸発酵では, グルコースからPQQグルコース脱水素酵素によって, グルコノラクトンに変換され, それは細胞膜上に存在するラクトナーゼもしくは中性からアルカリpHで自然にグルコン酸に変換される. 生じたグルコン酸は2つの酵素によって, 2-ケトグルコン酸(2KGA)と5-ケトグルコン酸(5KGA)に変換され, 培地中に蓄積される. このとき, キノプロテイン・グリセロール脱水素酵素(GLDH)がグルコン酸を酸化して5KGAを生成する. これは, GLDHがグリセロールと同様に, R配座をもつ2級アルコールを広く基質とすることができるため, グルコン酸をも基質とすることができるからである. |
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ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.84.5-6_275 |