γシクロデキストリンによる機能性食品素材の生物学的利用能向上

「はじめに」 シクロデキストリン(以下, CD)は, Bacillus属の微生物が生産する酵素, シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase)をとうもろこしや馬鈴薯デンプンに作用させることによって得られるグルコースがα-1,4結合している環状のオリゴ糖であり, その存在は100年以上も前から知られていた. グルコースの単位が6個以上のものが天然に存在するCDである. そのCDの分子構造は底のないバケツ状で中央の空洞に様々なゲスト分子を取り込む包接作用がある. その包接作用によって, ゲスト分子の安定性や水に対する溶解性を改善できるなど数多くの利用途があり, 古くから広範な分野で...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2010/02/25, Vol.84(2), pp.61-70
Hauptverfasser: 中田, 大介, 寺尾, 啓二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 シクロデキストリン(以下, CD)は, Bacillus属の微生物が生産する酵素, シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase)をとうもろこしや馬鈴薯デンプンに作用させることによって得られるグルコースがα-1,4結合している環状のオリゴ糖であり, その存在は100年以上も前から知られていた. グルコースの単位が6個以上のものが天然に存在するCDである. そのCDの分子構造は底のないバケツ状で中央の空洞に様々なゲスト分子を取り込む包接作用がある. その包接作用によって, ゲスト分子の安定性や水に対する溶解性を改善できるなど数多くの利用途があり, 古くから広範な分野で注目されている物質である. CDは1976年に世界に先駆け日本で工業生産が開始された. しかし, 当時, 工業的に使用できるCDは, グルコース単位が7個のβCDあるいは6個から8個のαCD, βCD, γCDの混合物であった.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.84.2_61