日本人の食事摂取基準(2010年版)決定の基礎とした母乳中の水溶性ビタミン含量
我々は, 乳児の栄養素必要量は「哺乳量×栄養素濃度」で算定する方法が最も適切であると考える. したがって, 母乳中の栄養素含量の精度を上げることは, 乳児に対する栄養素必要量の精度を上げることにつながる. さらに, 他の年齢階層, 特に6~11か月の乳児の必要量を外挿法で算定するための基準値としても利用することができる. 厚生労働省が策定している食事摂取基準においても, この考え方が採用されている. 2010年度~2014年度にわたって使用される「日本人の食事摂取基準2010年版」1)がすでに公表されている. そこで, 現在使用されている2005年版と2010年版の採用値の比較をまとめたものを...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2010/02/25, Vol.84(2), pp.53-58 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 我々は, 乳児の栄養素必要量は「哺乳量×栄養素濃度」で算定する方法が最も適切であると考える. したがって, 母乳中の栄養素含量の精度を上げることは, 乳児に対する栄養素必要量の精度を上げることにつながる. さらに, 他の年齢階層, 特に6~11か月の乳児の必要量を外挿法で算定するための基準値としても利用することができる. 厚生労働省が策定している食事摂取基準においても, この考え方が採用されている. 2010年度~2014年度にわたって使用される「日本人の食事摂取基準2010年版」1)がすでに公表されている. そこで, 現在使用されている2005年版と2010年版の採用値の比較をまとめたものを表1に示した. 本資料は, 2010年版の水溶性ビタミンの母乳値(すべて成熟乳の値)の採用値を決定するために使用された論文2)-25)を中心にした概説である. なお, 日本人の食事摂取基準(2010年版)決定の基礎とした母乳中の水溶性ビタミン含量をまとめた表2から表10をみると, 外国人のデータが日本人の値とかけ離れているものも記載してあるが, この理由は, 食事摂取基準1)の策定方針である「今回の改定の基本方針として, 国内外の学術論文をレビューし, 前回の策定までに用いられた論文等も必要に応じて再検討する」という方針にしたがったためである. |
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ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.84.2_53 |