3. 肥満またはメタボリックシンドローム者における血漿脂肪酸組成, desaturase活性と栄養素等摂取状況の検討(pp.400-406)
肥満とメタボリックシンドロームの予測因子を調べるために, 血漿脂肪酸組成, desaturase活性と栄養素等摂取状況との関連を検討した. 対象者をメタボリックシンドローム群(MS群, n=24), 腹部肥満群(OB群, n=43), 対照群(n=27)に分類し, 臨床検査値と栄養素等摂取状況, 血漿コレステロールエステル画分の脂肪酸組成を検討した. desaturase活性は血漿中の脂肪酸比率, 16:1n-7/16:0, 18:3n-6/18:2n-6, 20:4n-6/20:3n-6をそれぞれ, delta9, delta6, delta5 desaturase(D9-16D, D6D,...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2009, Vol.83 (12), p.673-673 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 肥満とメタボリックシンドロームの予測因子を調べるために, 血漿脂肪酸組成, desaturase活性と栄養素等摂取状況との関連を検討した. 対象者をメタボリックシンドローム群(MS群, n=24), 腹部肥満群(OB群, n=43), 対照群(n=27)に分類し, 臨床検査値と栄養素等摂取状況, 血漿コレステロールエステル画分の脂肪酸組成を検討した. desaturase活性は血漿中の脂肪酸比率, 16:1n-7/16:0, 18:3n-6/18:2n-6, 20:4n-6/20:3n-6をそれぞれ, delta9, delta6, delta5 desaturase(D9-16D, D6D, D5D)活性として用いた. 脂肪酸組成において, OB群では対照群との差異は認められなかったが, MS群ではパルミチン酸, オレイン酸, γ-リノレン酸が対照群と比較して有意に高くリノール酸が有意に低い値であった. OB群では対照群と比較してD5D活性の低値とD6D活性の高値が認められた. MS群ではD5Dの低値およびD6Dの高値に加え, D9-16D活性が有意の高値を示した. ロジスティック回帰分析の結果, D5Dの低下が肥満発症の予測因子であることが示され, さらにD9-16Dの上昇が肥満からメタボリックシンドロームに進展する予測因子であることが示された. 多重回帰分析によってD5D活性はEPA摂取量と正に相関することが示された. 以上の結果から日本人男性においてD5D活性は腹部肥満の予測因子であり, D9-16D活性は腹部肥満からメタボリックシンドロームへの進展を予測する因子であった. EPAの摂取が腹部肥満とそれに続くメタボリックシンドローム発症の予防に重要な役割を果たすと考えられる. |
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ISSN: | 0006-386X |