1. 老齢ラットの学習, 記憶能低下におけるビタミンEの効果(pp.389-393)
ビタミンE(E)が, 老化に伴う認識機能障害を改善するかどうかを明らかにするために, Eを添加した飼料を与えた老齢ラットを用いて学習, 記憶機能をモーリス水迷路により調べ, 普通飼料で飼育した老齢ラットの機能と比較した. その結果, 普通飼料で飼育した老齢ラットは水迷路のプラットホームの位置を学ぶ能力は非常に低いのに対して, Eを与えた老齢ラットは, 非常に速い学習能力を示し, プラットホームの位置をわずか5回の試行で認識した. 老齢ラットが学習能力の最高値を示した後, 検定を行わずそのまま48時間飼育してから, 同じ水迷路装置を用いて, プラットホームの位置を覚えているかについて記憶能を検定...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2009, Vol.83 (12), p.672-672 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ビタミンE(E)が, 老化に伴う認識機能障害を改善するかどうかを明らかにするために, Eを添加した飼料を与えた老齢ラットを用いて学習, 記憶機能をモーリス水迷路により調べ, 普通飼料で飼育した老齢ラットの機能と比較した. その結果, 普通飼料で飼育した老齢ラットは水迷路のプラットホームの位置を学ぶ能力は非常に低いのに対して, Eを与えた老齢ラットは, 非常に速い学習能力を示し, プラットホームの位置をわずか5回の試行で認識した. 老齢ラットが学習能力の最高値を示した後, 検定を行わずそのまま48時間飼育してから, 同じ水迷路装置を用いて, プラットホームの位置を覚えているかについて記憶能を検定した. その結果, Eを与えた老齢ラットは, 記憶能の最高値を顕著に保持したのに対し, 普通飼料で飼育した老齢ラットは記憶が約60%も低下した. Eによるこのような認識機能改善効果は, 神経成長因子の生成を促進し神経保護作用をもつ, ピロロキノリンキノン(PQQ)の機能改善効果と同様であった. したがって, Eによる老化に伴う認識機能低下の改善の要因が, 抗酸化作用と同時に神経保護作用にあるであろうことが示唆された. |
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ISSN: | 0006-386X |