8. ラットにおける総合アミノ酸輸液剤投与後の筋原線維タンパク質分解亢進は体温上昇と正に相関する(pp.467-474)
アミノ酸(AA)投与によって筋肉タンパク質合成が亢進し, 麻酔下に顕著に認められるように, 核心体温が上昇する. この合成される筋肉タンパク質の材料には投与されたアミノ酸だけでなく自身の筋肉タンパク質分解で生じるアミノ酸も供給され, そしてこの筋肉タンパク質分解は体温変動にまで影響を及ぼすのではないかとの仮説を検証した. プロポフォール麻酔薬または脂肪乳剤それぞれの投与に並行して総合アミノ酸輸液または生理食塩液をラットに持続静脈内投与した. 投与3時間後の直腸温度, 筋原線維タンパク質分解の指標として血漿3メチルヒスチジン(MeHis)濃度, ひらめ筋とひふく筋におけるAtrogin-1, M...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2009, Vol.83 (2), p.77-77 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | アミノ酸(AA)投与によって筋肉タンパク質合成が亢進し, 麻酔下に顕著に認められるように, 核心体温が上昇する. この合成される筋肉タンパク質の材料には投与されたアミノ酸だけでなく自身の筋肉タンパク質分解で生じるアミノ酸も供給され, そしてこの筋肉タンパク質分解は体温変動にまで影響を及ぼすのではないかとの仮説を検証した. プロポフォール麻酔薬または脂肪乳剤それぞれの投与に並行して総合アミノ酸輸液または生理食塩液をラットに持続静脈内投与した. 投与3時間後の直腸温度, 筋原線維タンパク質分解の指標として血漿3メチルヒスチジン(MeHis)濃度, ひらめ筋とひふく筋におけるAtrogin-1, MuRF1及びubiuqitin遺伝子のmRNA発現量を測定した. 覚醒下のラットの体温には被験液の違いによる影響はなかったが, 麻酔下ではAAを投与した場合の体温が生理食塩液投与の場合に比して明らかに高値であった. 血漿MeHis濃度はいずれの状態下においてもAA投与によって生理食塩液投与に比して高値となり, その高値は麻酔下で著明であった. いずれの状態下でも血漿MeHis濃度は直腸温と正の相関を示した. ひふく筋ではAtorogin-1とubiquitin遺伝子, ひらめ筋ではいずれの遺伝子発現もアミノ酸投与によって低下した. これらの結果は, アミノ酸投与によって促進される筋原線維タンパク質分解の変化がアミノ酸投与による体温変調のひとつの決定因子となることを示唆している. しかし, アミノ酸の投与による筋原線維タンパク分解亢進の明確な機序については不明である. |
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ISSN: | 0006-386X |