ホウレンソウの乾燥方法がラットにおけるレチノールの蓄積に及ぼす影響

「緒言」β-カロテンは, 抗酸化ビタミンとして注目され, 近年においては, がん抑制効果に関する大規模なヒト介入試験も行われている1)-4). 一般的に, 食品から摂取したカロテノイドは, 油脂とともに胆汁ミセルを形成して, 小腸粘膜から吸収される. その後β-カロテンなどのプロビタミンAは, 小腸上皮細胞において, レチナール, レチノールへと変換されたのち肝臓に輸送され, 貯蔵される5). 食品成分の吸収は, 同時に摂取した他の栄養成分に影響を受けるが, β-カロテンの吸収に関しては, 特にタンパク質や脂質の共存により影響を受ける6)7). 食品の消化性も成分吸収に影響を与える要因の一つで...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2009/01/25, Vol.83(1), pp.9-12
Hauptverfasser: 九鬼, 渉, 細谷, 圭助
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」β-カロテンは, 抗酸化ビタミンとして注目され, 近年においては, がん抑制効果に関する大規模なヒト介入試験も行われている1)-4). 一般的に, 食品から摂取したカロテノイドは, 油脂とともに胆汁ミセルを形成して, 小腸粘膜から吸収される. その後β-カロテンなどのプロビタミンAは, 小腸上皮細胞において, レチナール, レチノールへと変換されたのち肝臓に輸送され, 貯蔵される5). 食品成分の吸収は, 同時に摂取した他の栄養成分に影響を受けるが, β-カロテンの吸収に関しては, 特にタンパク質や脂質の共存により影響を受ける6)7). 食品の消化性も成分吸収に影響を与える要因の一つであると思われるが, 食品加工法による消化性の変化が吸収に及ぼす影響についての研究例は少なく, 特に, β-カロテンなど機能性成分の加工食品からの吸収については, 興味が持たれる. 本研究では, 代表的な食品加工法である乾燥処理に注目し, 乾燥方法が異なるホウレンソウ粉末をβ-カロテンの給源としてラットに与え, 肝臓中のレチノールの蓄積効率を比較検討した.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.83.1_9