13. 改良浸液法による塩酸チアミン等を含めた特定薬品等の迅速完全分析と老化抑制或いは宇宙食開発等への応用について(第412回研究協議会研究発表要旨,ビタミンB研究委員会)

偏光顕微鏡浸液法を用いる物理分析法については, 古く渡邉は日局V収載100種余りの医薬品について測定可能な屈折率等を, 偏光顕微鏡ライツCMと自製した混合浸液を用いて測定し報告した(薬学雑誌, 59, 131, 1939). その方法は結晶と浸液間の屈折率差で境界面に現れるベッケ線の強弱と鏡筒の上下によるベッケ線の移動方向の観察に頼るもので, その後の改善でもこの基本が主用されている点は変わらない. その後1970年頃神戸学院大学で物理薬剤学を担当し, 浸液法による10局医薬品のキー屈折率と薬剤学的応用等を検討していた頃, 屈折率測定法としては斜線法と称した方法を発表し, 塩酸チアミン多形等数...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2008/08/25, Vol.82(8), pp.481
1. Verfasser: 渡邉, 厚
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:偏光顕微鏡浸液法を用いる物理分析法については, 古く渡邉は日局V収載100種余りの医薬品について測定可能な屈折率等を, 偏光顕微鏡ライツCMと自製した混合浸液を用いて測定し報告した(薬学雑誌, 59, 131, 1939). その方法は結晶と浸液間の屈折率差で境界面に現れるベッケ線の強弱と鏡筒の上下によるベッケ線の移動方向の観察に頼るもので, その後の改善でもこの基本が主用されている点は変わらない. その後1970年頃神戸学院大学で物理薬剤学を担当し, 浸液法による10局医薬品のキー屈折率と薬剤学的応用等を検討していた頃, 屈折率測定法としては斜線法と称した方法を発表し, 塩酸チアミン多形等数多くの医薬品は大体この方法を用いて来た(Chem. Pharm. Bull. 25, 2239-2243, 1977;特許公報, 昭和60-27376, 医薬品等の屈折率の測定法)神戸学院大学では日局10, 11等収載の結晶性医薬品200-300種の結晶学的光学的研究を協同研究で行なった. 同じ頃米国薬学会のNational Formularyに現れた同書収載医薬品等300種ほどの“Optical Crystallographic Charactaristics”は貴重な資料であるが屈折率等のデータ等は地質鉱物学の伝統の方法に寄るものと思う. この報告では, 渡邉の薬誌前報の資料(薬誌122, 595-606, 2002)を用いて塩酸チアミン(I), (II)等を経口製剤等の目的に完全分析するため斜線法を更に簡易確実な方法に改めて新しい方法を樹立した. 方法の要点は, 屈折率差により界面に現れるベッケ線の強弱だけでなく間隔の大小による動きの方向を測定に用いるもので図を用いて別に述べる. i)被検物質のキー屈折率又は準ずる屈折率を文献等で調べ, 見当たらない場合は斜線法等で概則する. ii)概則値の高い方の浸液を用いて浸液法を実施し, 消光位でベッケ線とその動きを観察する. iii)この先は, 塩酸チアミン多形を用いた実例でのべる. 塩酸チアミン(I)等の老化抑制効果或いはその他の栄養食品等のDRPM等についても次の機会に譲る.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.82.8_481