8. 我が国の心身障害児(者)施設及び養護学校における血液・生化学検査の実施状況(1998年)に関する検討(pp.437-440)

これまで日本において障害者の健康・栄養状態に関する全国的な調査は少なく, 障害者の健康・栄養状態の実態は明らかになっていない. 私たちは全国の心身障害児(者)(以下, 心身障害者)施設及び養護学校において, 全体として栄養アセスメントの実施率は低く, その実施方法や実施率は(1)施設あるいは学校, (2)障害カテゴリー, によって変動が大きいという仮説をもち1998年に本調査を実施した. 全国の心身障害者施設及び養護学校1,080件の管理栄養士・栄養士に, 栄養評価法の実施に関する質問票を郵送で依頼した. 回答は826件(回収率:76.5%)であり, このうち有効回答は822件であった. 障害...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2007, Vol.81 (12), p.648-648
Hauptverfasser: 大和田浩子, 中山健夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:これまで日本において障害者の健康・栄養状態に関する全国的な調査は少なく, 障害者の健康・栄養状態の実態は明らかになっていない. 私たちは全国の心身障害児(者)(以下, 心身障害者)施設及び養護学校において, 全体として栄養アセスメントの実施率は低く, その実施方法や実施率は(1)施設あるいは学校, (2)障害カテゴリー, によって変動が大きいという仮説をもち1998年に本調査を実施した. 全国の心身障害者施設及び養護学校1,080件の管理栄養士・栄養士に, 栄養評価法の実施に関する質問票を郵送で依頼した. 回答は826件(回収率:76.5%)であり, このうち有効回答は822件であった. 障害カテゴリー別の血液・尿検査の実施率(14項目)を施設及び養護学校に分けて検討した. 全調査項目において, 施設(0-90.3%)では養護学校(0-10.2%)に比べて実施率が著しく高いことが示された. 施設の実施率をみると, 重症心身障害者では, 13項目(4.8-90.3%)において, 知的障害(0.4-57.0%)及び肢体不自由(0-80.0%)よりも実施率が高かった. 他の項目に比して, 24時間尿中クレアチニン排泄量の測定およびクレアチニン身長係数の算出の実施率は, 施設及び養護学校共, 非常に低かった. 施設あるいは学校により, 実施率に大きなばらつきのあることが明らになった. そして, 血液・生化学検査の実施率は, 障害カテゴリーによって大きな違いのあることも見出せた.
ISSN:0006-386X