Saccharomyces cerevisiaeの粗ミトコンドリアにおけるチアミン・ピリミジン部へのギ酸の取り込み

「緒言」チアミンは, 4-アミノ-2-メチル-5-ヒドロキシピリミジン(ピリミジン部)と5-ヒドロキシエチル-4-メチルチアゾール(チアゾール部)がそれぞれ別の経路で生合成され, リン酸化された後, 縮合して生成される1). ピリミジン部およびチアゾール部の生合成経路は, 微生物種によって異なり, ピリミジン部については原核生物と真核生物で異なる2)3). 原核生物におけるピリミジン部の生合成経路は, プリン生合成経路の中間体5-アミノイミダゾールリボヌクレオチド(AIR)のイミダゾール環の4位と5位の炭素の間に, リボース部分の4位と5位の炭素が挿入されピリミジン環が形成される4)5). 一...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2007/09/25, Vol.81(9), pp.425-430
Hauptverfasser: 木島, 由希絵, 田鶴谷(村山), 惠子, 山田, 和子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」チアミンは, 4-アミノ-2-メチル-5-ヒドロキシピリミジン(ピリミジン部)と5-ヒドロキシエチル-4-メチルチアゾール(チアゾール部)がそれぞれ別の経路で生合成され, リン酸化された後, 縮合して生成される1). ピリミジン部およびチアゾール部の生合成経路は, 微生物種によって異なり, ピリミジン部については原核生物と真核生物で異なる2)3). 原核生物におけるピリミジン部の生合成経路は, プリン生合成経路の中間体5-アミノイミダゾールリボヌクレオチド(AIR)のイミダゾール環の4位と5位の炭素の間に, リボース部分の4位と5位の炭素が挿入されピリミジン環が形成される4)5). 一方, 真核生物では, Fig.1に示すように, ヒスチジンのイミダゾール環の1位の窒素, 2位の炭素及び3位の窒素とピリドキシンの2', 2位の炭素, 1位の窒素, 6, 5, 5'の炭素がそれぞれユニットとして結合し, ピリミジン部が形成される6)7). その反応メカニズムの詳細についてはまだ解明されていない. 1970年, Margulisが提唱した細胞内共生説は, 真核生物の起源を説明した仮説である8).
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.81.9_425