Nerium indicumにおける食後高血糖を抑制する物質の単離と性質(pp.166-173)
Nerium indicumは夾竹桃科に属し, インド-パキスタンに自生する潅木である. 当該植物の葉を食事前に摂取すると2型糖尿病患者の血中グルコース濃度を下げる機能を有することが知られており, パキスタンのある地方では, 2型糖尿病に対する民間薬として利用されている. 本研究では, 当該植物の葉の熱水抽出液がラットにマルトース又はスクロースを投与したとき血中グルコース濃度の上昇を抑制するとともに, α-グルコシダーゼを阻害することが示された. これらの結果は, 当該植物の葉が上述の糖化合物の摂取に伴う血糖値の上昇を抑制する現象は, その葉に存在するα-グルコシダーゼ阻害物質によることを示唆...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | Nerium indicumは夾竹桃科に属し, インド-パキスタンに自生する潅木である. 当該植物の葉を食事前に摂取すると2型糖尿病患者の血中グルコース濃度を下げる機能を有することが知られており, パキスタンのある地方では, 2型糖尿病に対する民間薬として利用されている. 本研究では, 当該植物の葉の熱水抽出液がラットにマルトース又はスクロースを投与したとき血中グルコース濃度の上昇を抑制するとともに, α-グルコシダーゼを阻害することが示された. これらの結果は, 当該植物の葉が上述の糖化合物の摂取に伴う血糖値の上昇を抑制する現象は, その葉に存在するα-グルコシダーゼ阻害物質によることを示唆している. そこで, 上述の熱水抽出液から, 各種クロマトグラフィーを組み合わせて精製を行い, 最終的にHPLCにより, 2つの有効成分(component 1と2)を単離した. 加水分解実験, UV, MS及びNMR分析により, component 1および2はそれぞれ5-O-caffeoylquinicacidと3-O-caffeoylquinic acid(chlorogenic acid)であると同定した. これらの化合物は非拮抗的にマルターゼ及びスクラーゼを阻害した. また, 市販のchlorogenic acidは, ラットにマルトース又はスクロースを負荷した際, 血糖値の上昇を抑制するとともに, 反転腸管においてもマルトースのグルコース部分のみならずグルコースそのものの吸収を阻害することが観察された. 以上の結果は, chlorogenic acidが当該植物の葉における抗高血糖作用の主要な因子であることを示すものである. さらにchlorogenic acid関連物質のα-グルコシダーゼに対する阻害活性を検討した結果, カテキン類およびケルセチンもクロロゲン酸と同様に阻害活性をもつことが見出された. |
---|---|
ISSN: | 0006-386X |