ヒト血漿中セラミドと動脈硬化危険因子との対応

粥状動脈硬化症には, 脂質代謝異常, 高血圧, 耐糖能異常などいわゆるメタボリックシンドロームといわれる多くの因子が関係している. これらが, 低密度リポタンパク質(LDL)の酸化, 単球の内皮細胞への接着, マクロファージへの分化. 血管内皮細胞のアポトーシスなどの複雑な発症プロセスにどのように関係しているのかを研究することは動脈硬化の研究において重要である. 脂質の中でもセラミドは細胞にアポトーシスを引き起こす脂質として注目されており, セラミドが動脈硬化発症に関与するのかどうか興味が持たれる, セラミドは, 図1に示すようにアミドのアシル部分の炭素鎖の違いにより多くの分子種を含む. その...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2007/02/25, Vol.81(2), pp.59-60
Hauptverfasser: 市, 育代, 中原, 佳代子, 宮下, 矢誉衣, 日高, 篤子, 沓掛, 佐保子, 井上, 佳奈, 丸山, 太郎, 三輪, 宜一, 斯波, 真理子, 都島, 基夫, 小城, 勝相, 紀勢町コホート研究グループ
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:粥状動脈硬化症には, 脂質代謝異常, 高血圧, 耐糖能異常などいわゆるメタボリックシンドロームといわれる多くの因子が関係している. これらが, 低密度リポタンパク質(LDL)の酸化, 単球の内皮細胞への接着, マクロファージへの分化. 血管内皮細胞のアポトーシスなどの複雑な発症プロセスにどのように関係しているのかを研究することは動脈硬化の研究において重要である. 脂質の中でもセラミドは細胞にアポトーシスを引き起こす脂質として注目されており, セラミドが動脈硬化発症に関与するのかどうか興味が持たれる, セラミドは, 図1に示すようにアミドのアシル部分の炭素鎖の違いにより多くの分子種を含む. そのため, 組織中の量を測定するには我々が開発したLC-MS/MSを用いる方法1)が有用である. なお, セラミドの分子構造はこのアシル基の炭素数と二重結合の数によりC24:1というように標記する. 本論文では, 100人のヒト血液サンプルについて, セラミド量をLC-MS/MSで測定し, 他の動脈硬化指標との対応を検討した初めての論文である. ヒト血漿中に最も多いセラミドはC24:0であり平均値が78nmol/ml程度であり, 次がC24:1(平均値39nmol/ml)である, その他に, C16:0, C18:0, C22:0, C24:2などが存在する.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.81.2_59