コバラミン欠乏下のMCMタンパク質発現レベルの異常な上昇について

【目的】メチルマロニルーCoAムターゼ(MCM)はアデノシルコバラミン(AdoCbl)を補酵素とし, 分岐鎖アミノ酸や奇数鎖脂肪酸代謝の最終段階においてメチルマロニル-CoAからスクシエル-CoAへの変換に機能する. 肝臓のMCMについて調べたところ, 十分量のコバラミン(Cbl)を与えたラットにおいても, ホロ酵素は全体の5%以下であり, 大半が活性のないアポ型であった. このようにホロ型の比率が低い理由として, AdoCbl合成段階が律速となっている可能性が考えられる. そこで, AdoCbl合成に特異的に関与するタンパク質(酵素)をコードするMMAA(機能不明)およびMMAB(アデノシル...

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Hauptverfasser: 弘中頌子, 中尾元幸, 藤井奈々恵, 山地亮一, 乾博, 中野長久, 虎谷哲夫, 山田良平
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】メチルマロニルーCoAムターゼ(MCM)はアデノシルコバラミン(AdoCbl)を補酵素とし, 分岐鎖アミノ酸や奇数鎖脂肪酸代謝の最終段階においてメチルマロニル-CoAからスクシエル-CoAへの変換に機能する. 肝臓のMCMについて調べたところ, 十分量のコバラミン(Cbl)を与えたラットにおいても, ホロ酵素は全体の5%以下であり, 大半が活性のないアポ型であった. このようにホロ型の比率が低い理由として, AdoCbl合成段階が律速となっている可能性が考えられる. そこで, AdoCbl合成に特異的に関与するタンパク質(酵素)をコードするMMAA(機能不明)およびMMAB(アデノシルトランスフェラーゼ)遺伝子をCOS-7細胞に導入し, これらタンパク質を高レベルで発現させ, MCM活性に与える影響について検討した. 【方法】MCM活性は, 反応系に補酵素であるAdoCblを添加したトータル活性(ホロ+アポ酵素活性)と添加しないホロ酵素活性を測定した. 【結果】COS-7細胞をCbl無添加培地で培養すると, MCMは発現していたが(トータル活性は見られたが), ホロ酵素活性はほとんど検出されなかった. Cblを添加するとホロ酵素活性は現れたが, 生理濃度の約10,000倍(10μM)添加しても, トータル活性の20%程度にすぎず, 多くはアポ酵素として存在していた. このような細胞にヒトMMAAもしくはMMABタンパク質を高レベルで発現させたが, Cbl添加, 無添加のどちらの条件下でもホロ酵素活性の上昇はみられなかった. さらに, MMAA, MMABタンパク質を同時に発現させたが, 同様に影響はみられなかった.
ISSN:0006-386X