PGC-1α,SIRT1複合体による新しいグルコース・ホメオスタシスの機構

NAD+-依存性ヒストン脱アセチル化酵素であるSir2 (silencing information regulator 2)は, Saccharomyces cerevisiae と Caenorhabditis elegans において, カロリー制限に応答して寿命を延長することが知られている1)-3). 一方, SIRT1は, sirtuinとよばれるほ乳類のSir2ホモログであり, MyoD, p53, フォークヘッド型転写因子などを脱アセチル化することが知られている4)-8). しかしほ乳類において, カロリー制限により直接影響を受ける経路にSIRT1が関わっているかは不明であった....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:ビタミン 2005/10/25, Vol.79(10), pp.505-507
Hauptverfasser: 梅澤, 智佐江, 新, 真理子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:NAD+-依存性ヒストン脱アセチル化酵素であるSir2 (silencing information regulator 2)は, Saccharomyces cerevisiae と Caenorhabditis elegans において, カロリー制限に応答して寿命を延長することが知られている1)-3). 一方, SIRT1は, sirtuinとよばれるほ乳類のSir2ホモログであり, MyoD, p53, フォークヘッド型転写因子などを脱アセチル化することが知られている4)-8). しかしほ乳類において, カロリー制限により直接影響を受ける経路にSIRT1が関わっているかは不明であった. この点に関して最近報告されたRodgersら9)の研究を紹介する. 肝および肝細胞におけるSIRT1タンパクの調節とNAD+ Rodgersら9)は, マウスにおいてSIRT1が栄養状態によって変動するか調べた. その結果, 絶食状態の肝でもSIRT1 m RNAレベルに変化は認められなかったが, SIRT1タンパクは絶食により誘導され, 摂食によりコントロール値にもどった. 転写活性化補助因子であるPGC-1α(peroxisome proliferators-activated receptor γ coactivator-1α)は, 絶食マウスおよび糖尿病マウスの肝において, グルコース産生の主要な調節因子である10)-11).
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.79.10_505