12. 小豆熱水抽出物は培養KATOIII細胞の増殖だけでなくベンゾピレンにより誘導されるマウス前胃での腫瘍発生を抑える(pp. 295-299)

ヒト胃がんKATOIII細胞に小豆熱水抽出物を添加するとKATOIII細胞の増殖が抑制され, また, アポトーシスを誘導することが観察された. この抽出物を添加し, 細胞を培養すると形態学的変化が生じ, 小球状のアポトーシス小体が観察された. また, アポトーシス現象に特徴的なオリゴヌクレオソーム単位でのDNAの断片化が見られ, この断片化が抽出物の添加濃度および培養時間に依存していることを確認した. 加えて, 抗酸化剤であるN-アセチル-L-システイン(NAC)がこのDNAの断片化を抑制することも確認できた. これらのデータより小豆熱水抽出物のアポトーシスの誘導に活性酸素の関与が示唆された....

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Veröffentlicht in:ビタミン 2005, Vol.79 (5/6), p.304-305
Hauptverfasser: 伊藤智広, 伊藤裕子, 水谷峰雄, 藤城克久, 古市幸生, 小宮孝志, 樋廻博重
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ヒト胃がんKATOIII細胞に小豆熱水抽出物を添加するとKATOIII細胞の増殖が抑制され, また, アポトーシスを誘導することが観察された. この抽出物を添加し, 細胞を培養すると形態学的変化が生じ, 小球状のアポトーシス小体が観察された. また, アポトーシス現象に特徴的なオリゴヌクレオソーム単位でのDNAの断片化が見られ, この断片化が抽出物の添加濃度および培養時間に依存していることを確認した. 加えて, 抗酸化剤であるN-アセチル-L-システイン(NAC)がこのDNAの断片化を抑制することも確認できた. これらのデータより小豆熱水抽出物のアポトーシスの誘導に活性酸素の関与が示唆された. また, 胃がんを発症させたマウスに小豆熱水抽出物を飲水させることで抗がん効果が現れるかについて評価した, DIAION HP-20カラムに供して得られた40%エタノール溶出画分を水道水に0.5~2.0%含ませることでベンゾピレン誘発胃がん細胞の重量をマウスあたり36~62%まで減少した. 一方, 小豆煮汁では16.8%の抑制効果であった. これらの結果は, 40%エタノール溶出画分が抗腫瘍物質を含むことを示している.
ISSN:0006-386X