2.有機野菜と慣行野菜の官能試験比較(ビタミンC研究会 第114回会議研究発表要旨)
目的 有機農産物の本来の意義は持続できる農業を目指す, すなわち環境保全型農業を目指すことにある. 農林水産省ガイドラインやJAS法の改正により「有機農産物」の定義は明確にされたが, 品質の点ではいまだに不明瞭な点が多い. 有機農産物の品質評価に寄与することを目的として, 有機栽培農産物と慣行栽培農産物について官能検査, 栄養成分分析を行い両者を比較検討した. 実施 本研究において, 有機農産物とは「有機物(有機肥料や堆肥など)を主体に施用して栽培した野菜上慣行栽培農産物とは「化学肥料を主体に施用して栽培した野菜」と定義した. 昨年夏の本委員会ではレタス, コマツナ, ホウレンソウについて比較...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2004/12/25, Vol.78(12), pp.630 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的 有機農産物の本来の意義は持続できる農業を目指す, すなわち環境保全型農業を目指すことにある. 農林水産省ガイドラインやJAS法の改正により「有機農産物」の定義は明確にされたが, 品質の点ではいまだに不明瞭な点が多い. 有機農産物の品質評価に寄与することを目的として, 有機栽培農産物と慣行栽培農産物について官能検査, 栄養成分分析を行い両者を比較検討した. 実施 本研究において, 有機農産物とは「有機物(有機肥料や堆肥など)を主体に施用して栽培した野菜上慣行栽培農産物とは「化学肥料を主体に施用して栽培した野菜」と定義した. 昨年夏の本委員会ではレタス, コマツナ, ホウレンソウについて比較検討した実験の結果について発表した. 両栽培法で栄養成分にはほとんど差は認められず, わずかに官能実験において数点有機栽培農産物が有意であることを認めたに過ぎなかった. 今年度はコマツナ(2品種), ホウレンソウ(1品種)について官能検査を主体に両栽培野菜の比較研究を実施した. 圃場, 施肥法, 栽培試験条件とともに, 3年間の実験成績をあわせて報告する. 結果 両者の官能検査ならびに栄養成分分析を実施し, 次のような結果を得た. 官能検査結果について, コマツナ, ホウレンソウともに栽培法の違いによる有意な差は認められなかった. コマツナでは品種間に有意な差が認められた. 各種成分分析では, いずれの野菜においても栽培法の違いによる差は, 認められなかった. コマツナではビタミンK含有量に品種間差が認められた. 〔論議〕 重岡委員 1)有機栽培と慣行栽培での肥料の違いより, それ以外の栽培条件(環境変化)が, 種々の成分に影響があると考えてよいですか. 2)官能検査での味の違いは何に由来しているのでしょうか. 辻村委員 1)栄養成分と官能試験で検討しましたが, 栽培条件の違いによる両者の差を明らかにすることはできませんでした. 差はほとんどないようでした. 2)甘さの強弱, 甘さ良し悪し, あくっぽさ, 後味などが味の違いに影響を与えるようでした. 水っぽさの項目をたてましたが, 味とは関係ないようでした. 項目について再度検討してみたいと考えます. 環境にやさしい有機栽培ということを感じました. |
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ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.78.12_630_1 |