嫌気条件下での4-アミノ-5-ヒドロキシメチル-2-メチルピリミジンと5-ヒドロキシエチル-4-メチルチアゾールからのチアミン生合成

チアミン生合成の最終段階である4-アミノ-5-ヒドロキシメチル-2-メチルピリミジン(OMP)と4-メチル-5-ヒドロキシエチルチアゾール(Th)の縮合の過程(図1)は1960年に確立している. OMPとThからチアミンに至る過程の酵素生成に関与する遺伝子については, 中山ら, 野坂らによって明らかにされて来た. OMPの生合成経路に関して, 我々はその生合成経路が原核生物と真核生物で異なることを明らかにし, さらに, 原核生物, 真核生物におけるそれぞれの生合成経路について, 図2に示す経路を確立した. Thについて, 我々はその窒素原子の起源を研究し, 真核生物, 好気性生物と通性嫌気性生...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2004/10/25, Vol.78(10), pp.485-493
Hauptverfasser: 渡邊(石田), 志穂, 田中, 敬子, 村山(田鶴谷), 恵子, 山田, 和子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:チアミン生合成の最終段階である4-アミノ-5-ヒドロキシメチル-2-メチルピリミジン(OMP)と4-メチル-5-ヒドロキシエチルチアゾール(Th)の縮合の過程(図1)は1960年に確立している. OMPとThからチアミンに至る過程の酵素生成に関与する遺伝子については, 中山ら, 野坂らによって明らかにされて来た. OMPの生合成経路に関して, 我々はその生合成経路が原核生物と真核生物で異なることを明らかにし, さらに, 原核生物, 真核生物におけるそれぞれの生合成経路について, 図2に示す経路を確立した. Thについて, 我々はその窒素原子の起源を研究し, 真核生物, 好気性生物と通性嫌気性生物とで生合成経路が異なることを明らかにした. チアミンは生物が呼吸でエネルギー代謝を行うとき不可欠な補酵素となるため, 今まで報告されたその生合成経路の研究は, すべて好気条件で行われて来た. しかし, チアミンピロリン酸(TPP)は発酵においても補酵素として関与する. その生合成経路が嫌気条件下でも好気条件下と同じであるのかを明らかにするため, 好気条件下で前駆体となる化合物について, 嫌気条件下で検討し, OMPの生合成の前駆体は好気条件と若干異なることを, またThに関しては同じであることをすでに明らかにした.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.78.10_485