2-III-21 根粒菌メチルマロニルCoAムターゼ遺伝子のクローン化と大腸菌による大量発現系の構築

根粒菌Sinorhizobium melilotiに存在するメチルマロニルCoAムターゼは, 哺乳動物の酵素と同様なホモダイマーのサブユニット構造を有し, また活性発現に1価カチオンを要求するなどユニークな酵素であるが, 本菌野生株粗酵素液中の本酵素活性は低く, また不安定なため大量に精製酵素を調製することができなかった(Miyamoto et al. (2003) Arch Microbiol 180, 151-154). そこで, 本酵素タンパク質の性質を詳細に調べることを目的として本酵素遺伝子の大腸菌による大量発現系を構築した. 本酵素遺伝子bhbAは既にIncPプラスミドにクローン化さ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:ビタミン 2004-04, Vol.78 (4), p.255-255
Hauptverfasser: 渡辺文雄, 宮本恵美, 大西浩平, 味園春雄, 中野長久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:根粒菌Sinorhizobium melilotiに存在するメチルマロニルCoAムターゼは, 哺乳動物の酵素と同様なホモダイマーのサブユニット構造を有し, また活性発現に1価カチオンを要求するなどユニークな酵素であるが, 本菌野生株粗酵素液中の本酵素活性は低く, また不安定なため大量に精製酵素を調製することができなかった(Miyamoto et al. (2003) Arch Microbiol 180, 151-154). そこで, 本酵素タンパク質の性質を詳細に調べることを目的として本酵素遺伝子の大腸菌による大量発現系を構築した. 本酵素遺伝子bhbAは既にIncPプラスミドにクローン化されていたことから, このプラスミドを鋳型としてbhba遺伝子断片をPCRにより増幅した. 塩基配列解析によって増幅断片に変異のないことを確認した後, T7高発現ベクターpET-21aに再クローン化した. 構築したbhba高発現プラスミドを大腸菌BL21(DE3)に導入し, 得られた組換え大腸菌をアンピシリン添加LB培地37℃で対数増殖期まで培養後, IPTGを添加することで本酵素タンパク質の発現を誘導させた. IPTG添加後は25℃で3時間培養することで封入体の形成を抑制した結果, 組換え大腸菌粗酵素液の比活性が野生株根粒菌粗酵素液の約40倍, 約1μmol/min/mg proteinとなり, 本酵素の大量発現系を構築することができた.
ISSN:0006-386X