2-III-7 高脂血症治療薬とビタミンの併用による横紋筋融解症発症のリスク

【目的】近年様々なサプリメントの登場により, サプリメントと薬物との相互作用についても注目されている. 我々は以前ラットの筋芽細胞を用いた横紋筋融解症のモデルを構築した. 今回, そのモデルを用いて, ビタミンと高脂血症治療薬を併用した場合の横紋筋融解症に対するリスクを検討した. 【実験方法】筋芽細胞株L6(ラット)を1×105cell/mlで, 6-wellプレートに播種し, 増殖用培地で培養した. 培養後, 増殖用培地を除去, 洗浄したのち, 薬物を添加した分化用培地で培養した. 培養後, 細胞の生存率を測定した. カスパーゼの活性は, 対応する測定キットを用いた. 【結果と考察】高脂血症...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2004-04, Vol.78 (4), p.249-250
Hauptverfasser: 吉元広美, 村山田鶴谷恵子, 松野純男, 安田晋也, 岩佐容子, 山田和子, 松山賢治, 三嶋基弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】近年様々なサプリメントの登場により, サプリメントと薬物との相互作用についても注目されている. 我々は以前ラットの筋芽細胞を用いた横紋筋融解症のモデルを構築した. 今回, そのモデルを用いて, ビタミンと高脂血症治療薬を併用した場合の横紋筋融解症に対するリスクを検討した. 【実験方法】筋芽細胞株L6(ラット)を1×105cell/mlで, 6-wellプレートに播種し, 増殖用培地で培養した. 培養後, 増殖用培地を除去, 洗浄したのち, 薬物を添加した分化用培地で培養した. 培養後, 細胞の生存率を測定した. カスパーゼの活性は, 対応する測定キットを用いた. 【結果と考察】高脂血症治療薬として, スタチン系ではセリバスタチン(Cer)を, フィブラート系ではクロフィブラート(Clo)を用い, ビタミンA, D3, Eおよびニコチン酸との併用について検討した. Cerでは, ビタミンA, D3およびニコチン酸の添加により, 障害性の増強が認められた. 一方, Cloでは, ほとんど障害性の増強は認められなかった. そこで, アポトーシス関連酵素であるカスパーゼの活性を調べたところ, Cerでは, カスパーゼ3, 8, 9の活性化が認められたが, Cloでは認められなかった. CerとCloとではアポトーシスのメカニズムが異なるため, ビタミンとの相互作用に差があるものと考えられる.
ISSN:0006-386X