2-III-7野菜類に含まれるカロテノイド含量の産地,時期,部位による違い(第55回大会一般研究発表)

近年, 野菜中に豊富に含まれるカロテノイドの疾病予防作用に注目が集まっている. 様々な種類のカロテノイドが日常的な食事から摂取され, 我々の体内に蓄積されている. これらカロテノイドを効率良く摂取するためには, その由来である野莱類の摂取が必要となる. しかし, 野菜に含まれるカロテノイドは同じ種類であらても, 産地, 収穫される季節によって含量が異なり, 部位別にも違いが認められる. そこで今回, 国内で市販されている野菜について, 産地別, 時期別および部位別のカロテノイド含量を調べてみた. 五訂日本食品標準成分表に収載されている市販の代表的な野菜80種類について, 含酸素カロテノイドとしてカプサンチン, ルテイン, ゼアキサンチン, クリプトキサンチン, 一炭化水素カロテノイドとしてリコピン, アルファカロテン, ベータカロテンを測定した. 生野菜を購入後, 直ちに破砕し, 溶媒抽出した後ケン化処理を行ない, HPLC分析に供した. 各カロテノイドは460nmで検出, 定量した. 各野菜中のカロテノイド含量は, 産地や収穫時期による違いが認められた. 部位別のカロテノイド含量についても合わせて報告する.