2-II-25超好熱アーキアのゲノム情報に基づくNMN-アデニリルトランスフェラーゼの機能解析(第55回大会一般研究発表)

嫌気性超好熱菌アーキアであるPyrococcus horikoshii OT-3のゲノム情報に基づき, NAD生合成系に関与する酵素の1つであるニコチンアミドモノヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼ(NMNAT, EC2. 7. 7. 1)をコードする遺伝子ホモログを見出した. この遺伝子のコードするタンパク質は186アミノ酸残基からなり, 分子量が21, 391である. この予測されるアミノ酸配列はMethanococcus jannaschiiのNMNATと59%の相同性を示した. 大腸菌で本遺伝子を発現させ, 発現させた組換え酵素を均一に精製した. この組換え酵素は高い熱安定性を示し...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2003/04/25, Vol.77(4), pp.245
Hauptverfasser: 大島, 敏久, 櫻庭, 春彦, 金井, 匡平, 郷田, 秀一郎, 河原林, 裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:嫌気性超好熱菌アーキアであるPyrococcus horikoshii OT-3のゲノム情報に基づき, NAD生合成系に関与する酵素の1つであるニコチンアミドモノヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼ(NMNAT, EC2. 7. 7. 1)をコードする遺伝子ホモログを見出した. この遺伝子のコードするタンパク質は186アミノ酸残基からなり, 分子量が21, 391である. この予測されるアミノ酸配列はMethanococcus jannaschiiのNMNATと59%の相同性を示した. 大腸菌で本遺伝子を発現させ, 発現させた組換え酵素を均一に精製した. この組換え酵素は高い熱安定性を示し, 8ぴ, 30分間の処理において失活しなかった. この酵素の分子質量は77kDaであった. ATP, NMNのKm値はそれぞれ0. 056, 0. 061mMであった. 活性の最適温度は90°付近に存在した. HPLCによって検出した本酵素の基質特異性の検出結果から, ATPの代わりにADP, AMPがアデニル酸供与体となることがわかった. このADP及びAMPの反応は80°以上の温度で起こることが確認できた. これまでにNMNATがアデニリル酸残基供与体としてADP, AMPを利用する報告例はない. 80°以上の超好熱菌の生育温度下で, アデニリルトランスフェラーゼがATPだけでなくADPやAMPをも供与体とすることの生理的意義に興味がもたれる.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.77.4_245_3