(1)カルシウム(バイオファクター研究のブレークスルー : 「微量元素・ミネラル(IV)」)

カルシウム(Ca)は元素の周期表でみると4周目にあり, カリウム(K)とスカンジウム(Sc)の間に位置し, 周期表の2周目のベリリウム(Be), 3周目のマグネシウム(Mg), 5周目のストロンチウム(Sr), 6周目のバリウム(Ba), ラジウム(Ra)が同じ2A属のアルカリ金属で性格も似ている. 原子量は40.08, 質量数は40~49で2価の正の電価をもつ. Caは「天然に発見せられ, 特に石灰の基礎的成分で, 動植物の有機組織中に存在する重要元素」と辞典に記されている. Caの生体での役割は, 非常に複雑で多岐にわたっている. Caは骨や歯を構成する主なミネラル成分であるが, もっと機...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2002/12/25, Vol.76(12), pp.595-600
Hauptverfasser: 中塚, 喜義, 稲葉, 雅章, 西沢, 良記
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:カルシウム(Ca)は元素の周期表でみると4周目にあり, カリウム(K)とスカンジウム(Sc)の間に位置し, 周期表の2周目のベリリウム(Be), 3周目のマグネシウム(Mg), 5周目のストロンチウム(Sr), 6周目のバリウム(Ba), ラジウム(Ra)が同じ2A属のアルカリ金属で性格も似ている. 原子量は40.08, 質量数は40~49で2価の正の電価をもつ. Caは「天然に発見せられ, 特に石灰の基礎的成分で, 動植物の有機組織中に存在する重要元素」と辞典に記されている. Caの生体での役割は, 非常に複雑で多岐にわたっている. Caは骨や歯を構成する主なミネラル成分であるが, もっと機能的な役割をも担っている1). 種々のホルモン分泌や作用発現, 筋肉の収縮弛緩, 血液の線溶凝固, 消化管での消化吸収, 創傷の治癒, 薬物作用の発現, 多くの酵素の作用発現, 種々の受容体の作動, 分子構造の形成触媒安定化, さらには植物の光化学機序の発現など生物が生きていくうえで必須の役割を担い, Caに代替できるミネラルはない. このような多くの役割がCaという一つのミネラルに託されており, 生体にとってきわめて重要な位置を占めているのである.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.76.12_595