酵母でのビタミンB6の生合成経路
ビタミンB6(B6)の生合成経路は微生物, 特にEscherichia coliを用いて詳しく検討されてきた. その概略は, 本誌シリーズ:ビタミン研究のブレイクスルー-その歴史と展望-“ビタミンB6の生合成経路”に坂井と谷によって紹介されている1). B6生成の最終段階であるピリジン環形成の過程は, Caneらによって最近明らかにされ, 近藤によってトピックス欄に紹介された2). Caneらは, B6ピリジン環形成に関与する酵素をE. coliを用いて大量に発現させ, 目的の酵素を精製しその反応機構を調べる方法を取った. これによって, E. coliでのB6生成最終段階がほぼ明らかにされた...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2002-08, Vol.76 (8), p.391-393 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ビタミンB6(B6)の生合成経路は微生物, 特にEscherichia coliを用いて詳しく検討されてきた. その概略は, 本誌シリーズ:ビタミン研究のブレイクスルー-その歴史と展望-“ビタミンB6の生合成経路”に坂井と谷によって紹介されている1). B6生成の最終段階であるピリジン環形成の過程は, Caneらによって最近明らかにされ, 近藤によってトピックス欄に紹介された2). Caneらは, B6ピリジン環形成に関与する酵素をE. coliを用いて大量に発現させ, 目的の酵素を精製しその反応機構を調べる方法を取った. これによって, E. coliでのB6生成最終段階がほぼ明らかにされた. B6生合成経路は, 生物種によって異なることを我々はその窒素の起源を検討し, 明かにした. E. coliではL-グルタミン酸のアミノ基の窒素であるのに対し, Saccharomyces cerevisiaeでは, L-グルタミンのアミド窒素であった3). 生物種を変えて, 窒素の起源を検討すると, S. cerevisiae, Emericella nidulans, Mucor racemosusおよびNeurospora crassaの真核生物ではL-グルタミンのアミド窒素であり, 原核生物でもBacillus subtilisおよびStaphylococcus aureusではL-グルタミンのアミド窒素であったが, E. coli, Enterobacter aerogenesおよびPseudomonas putidaではL-グルタミン酸のアミノ基の窒素であった4). |
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ISSN: | 0006-386X |