食餌中のビタミンCがモルモットの骨,尿中のコラーゲンクロスリンク比に及ぼす影響

骨の生理とビタミンC(VC)に関係する研究報告は少ない. VCはプロリンやリジンの水酸化に関与し, コラーゲンの生成に必須である. ピリジノリン(Pyr), デオキシピリジノリン(D-Pyr)はコラーゲン架橋物質であり, これらの値は骨格や軟骨の健全度の指標となっている. 著者の研究で2段階のVC摂取量により大腿骨や尿中の加水分解物のPyr:D-Pyr比に有意な結果が認められたので, 本研究ではVCの範囲を広げて, VCとPyr:D-Pyr比との相関を調べ, VCの栄養状態を示す新しい指標になるかどうかの検討を行った. 【実験方法】体重300g前後のDunkin-Hartlay系雄モルモットを...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2002/03/25, Vol.76(3), pp.184
Hauptverfasser: 土屋, 治美, C.J., Bates, 橋詰, 直孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:骨の生理とビタミンC(VC)に関係する研究報告は少ない. VCはプロリンやリジンの水酸化に関与し, コラーゲンの生成に必須である. ピリジノリン(Pyr), デオキシピリジノリン(D-Pyr)はコラーゲン架橋物質であり, これらの値は骨格や軟骨の健全度の指標となっている. 著者の研究で2段階のVC摂取量により大腿骨や尿中の加水分解物のPyr:D-Pyr比に有意な結果が認められたので, 本研究ではVCの範囲を広げて, VCとPyr:D-Pyr比との相関を調べ, VCの栄養状態を示す新しい指標になるかどうかの検討を行った. 【実験方法】体重300g前後のDunkin-Hartlay系雄モルモットを用いて, VC摂取量をA(0.5mg/日), B(1mg), C(5mg), D(49mg), E(205mg), F(1128mg)の6群に分け, 46日間飼育後, 血漿, 副腎, 脾臓, 脳中のVC濃度を測定し, 6N-HC1で処理した大腿骨および尿中の加水分解物のPyr, D-PyrをELISA(酵素抗体法)により測定した. 【結果】VC摂取を増加させると血漿, 副腎, 脾臓, 脳中濃度は漸次増加し49mg/日で飽和に達した. 大腿骨と尿中加水分解物のPyr:D-Pyr比はVCの摂取量増加に伴い有意な相関が見られ, 大腿骨のPyr:D-Pyr比は尿中に反映されていた. VC欠乏群でこの比は低下しEhlers-Danlos VI型症候群での低下と類似していた. この研究は将来, ヒトやモルモットのVCの状態や至適摂取量決定のための新しい機能的指標に発展する可能性があると考えられた.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.76.3_184_2