Pseudomonas syringaeのD-フェニルセリン脱水素酵素遺伝子を含むオペロンの解析

【目的】Pseudomonas syringaeのD-フェニルセリン脱水素酵素(PSDH)は, D-スレオ-β-フェニルセリンの水酸基の酸化反応を触媒するNADP+依存性酵素であり, スレオ-β-フェニルセリン存在下で本菌を培養する時に誘導生成される. さらに, PSDHをコードする遺伝子(psdh)は複数の遺伝子とオペロンを構成していることが明らかである. 本研究ではpsdhを含むオペロンの遺伝子構成と, その発現制御機構を明らかにすることを目的として, psdh周辺の塩基配列の解析を行った. 【方法と結果】psdh周辺の塩基配列約9kbをIPCR法によって明らかにした結果, psdhを含む...

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Veröffentlicht in:ビタミン 2002/03/25, Vol.76(3), pp.183
Hauptverfasser: 上島, 左久子, 河野, 亜紀子, 永田, 信治, 味園, 春雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】Pseudomonas syringaeのD-フェニルセリン脱水素酵素(PSDH)は, D-スレオ-β-フェニルセリンの水酸基の酸化反応を触媒するNADP+依存性酵素であり, スレオ-β-フェニルセリン存在下で本菌を培養する時に誘導生成される. さらに, PSDHをコードする遺伝子(psdh)は複数の遺伝子とオペロンを構成していることが明らかである. 本研究ではpsdhを含むオペロンの遺伝子構成と, その発現制御機構を明らかにすることを目的として, psdh周辺の塩基配列の解析を行った. 【方法と結果】psdh周辺の塩基配列約9kbをIPCR法によって明らかにした結果, psdhを含むオペロンには4種類の酵素遺伝子が存在し, トランスポータータンパク質(ORF1), 短鎖アルコール脱水素酵素(ORF2), ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ(ORF3)に高い相同性を示す3種類のタンパク質とPSDH(ORF4)がコードされていた. ORF2とORF3を大腸菌でクローン化して発現させたところ, ORF2はPSDHとは全く一次構造が異なるが, NAD+を補酵素として立体特異性の低いフェニルセリン脱水素酵素であることが明らかになった. さらにPSDHを含むオペロンの上流には, 転写活性化因子と相同性のあるタンパク質をコードするORFが, オペロンとは逆向きに存在していた. この遺伝子がスレオ-β-フェニルセリンによるオペロンの発現調節に関与している可能性が示唆された.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.76.3_183_2