天然β-カロテンによるマウス腹部放射線傷害の防御効果と投与時期の検討
【目的】腹部の日常的放射線治療において放射線感受性である小腸の吸収低下, 腹痛, 下痢, 脱水などの副作用を抗酸化作用を有する天然β-カロテンが軽減可能か, またその最も効果的な服用時期を検討した. 【方法】マウスの粉末飼料に天然β-カロテン, ドナリエラを0.01, 0.1%混和し, 照射前2週間のみ(前投与), 照射前と照射後(中投与), 照射後のみ(後投与)の3種で投与した. 照射は60Coγ腺をマウス腹部に15Gy照射し, 2, 7日後に採血し臓器を摘出した. 血液は肝, 腎機能を測定し, 組織標本のHE染色から臓器傷害を, TUNEL染色からアポトーシスを検討した. 小腸の傷害は,...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2002/03/25, Vol.76(3), pp.168 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】腹部の日常的放射線治療において放射線感受性である小腸の吸収低下, 腹痛, 下痢, 脱水などの副作用を抗酸化作用を有する天然β-カロテンが軽減可能か, またその最も効果的な服用時期を検討した. 【方法】マウスの粉末飼料に天然β-カロテン, ドナリエラを0.01, 0.1%混和し, 照射前2週間のみ(前投与), 照射前と照射後(中投与), 照射後のみ(後投与)の3種で投与した. 照射は60Coγ腺をマウス腹部に15Gy照射し, 2, 7日後に採血し臓器を摘出した. 血液は肝, 腎機能を測定し, 組織標本のHE染色から臓器傷害を, TUNEL染色からアポトーシスを検討した. 小腸の傷害は, HE染色での絨毛と腸腺窩の高さの比および壊死細胞の腸腺窩, 絨毛部の割合を指標とした. 【結果】腹部放射線傷害は照射2日後最も強く, 7日後は回復傾向にあった. β-カロテン投与群では, 肝機能の軽度抑制傾向が認められた. 小腸傷害の絨毛突起/腸腺窩比は, 2日後有意に低下していたが, β-カロテン投与で軽減した. 壊死細胞は照射2日後腸腺窩で有意に高く, 7日後ではβ-カロテン投与で有意に腸腺窩から絨毛に移動し小腸再生の促進が認められた. 照射前, 中, 後投与間での有意差はなかった. 【結語】β-カロテン投与により, 腹部照射での小腸の傷害が有意に軽減された. その際, 照射後のみの服用でも有意な軽減効果が認められ, 臨床応用 |
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ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.76.3_168_1 |