酵母におけるピリドキシンの生合成経路に関する一考察
ピリドキシンの生合成経路は, 大腸菌(Escherichia cli)においては, FIG. 1に示したように, エリトロース4-リン酸とグルタミン酸から4-ヒドロキシトレオニンが生成され, 脱炭酸されたあと, 1-デオキシ-D-キシルロースと結合して, ピリドキシンが生成されると報告されている. さらに, これらの経路には, PdxA, Pdx8, SecC, PdxJの遺伝子が関与するとの報告もある. 我々は, L-グルタミンのアミド窒素が酵母ではピリドキシンの窒素に取り込まれるのに対してE. coliでは取り込まれないことから, ピリドキシンの生合成経路が酵母とE. coliで異なること...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 2000/11/25, Vol.74(11), pp.543-549 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ピリドキシンの生合成経路は, 大腸菌(Escherichia cli)においては, FIG. 1に示したように, エリトロース4-リン酸とグルタミン酸から4-ヒドロキシトレオニンが生成され, 脱炭酸されたあと, 1-デオキシ-D-キシルロースと結合して, ピリドキシンが生成されると報告されている. さらに, これらの経路には, PdxA, Pdx8, SecC, PdxJの遺伝子が関与するとの報告もある. 我々は, L-グルタミンのアミド窒素が酵母ではピリドキシンの窒素に取り込まれるのに対してE. coliでは取り込まれないことから, ピリドキシンの生合成経路が酵母とE. coliで異なることを明らかにした. さらに, その窒素原子はE. coli, Enterobacter aerogenes, Psudomonas putidaではL-グルタミン酸の窒素に由来し, Saccharomyces cervisiae, Emericella nidulans, Mucor racemosus, Neurspora crassa, Bacillus subtilis, Staphylococcus aureusにおいては, L-グルタミンのアミド窒素に由来することを明らかにした. Ehrenshaftらによっても, 植物病原性カビの一種であるタバコ白星病菌のSOR I遺伝子が, ビタミンB6の生合成経路に必須であること, さらに, E. coli で報告されているピリドキシン生合成遣伝子, PdxAとPdxJを持っていない生物にのみ, このSOR I遺伝子が存在することから, ピリドキシンの生合成経路に二つ以上の異なる経路が存在する可能性が示された. |
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ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.74.11_543 |