ヒトビフィズス菌由来の固定化酵素によるビフィズス因子の合成
ビフィズス菌はヒトを始めとする動物の腸管内に広く棲息しており, 様々な有益な作用を宿主にもたらすことがすでに明らかとなっている. 近年では本菌が腸管内での病原性菌の増殖を抑えたり, 腸管上皮細胞への病原性大腸菌の接着を阻止したりすることも報告されている1). 本菌はまた母乳栄養児の腸管下部における最優先菌であり, 乳児の健康維持にも極めて重要な役割を演じていると考えられている. これらの背景から母乳についての研究に端を発した「ビフィズス因子」に関する研究が古くから行われ, 幾つかのオリゴ糖がビフィズス菌の増殖に有効であるとされている. 天然に存在する代表的なオリゴ糖としては大豆に含有されている...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 1999/07/25, Vol.73(7), pp.403-405 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ビフィズス菌はヒトを始めとする動物の腸管内に広く棲息しており, 様々な有益な作用を宿主にもたらすことがすでに明らかとなっている. 近年では本菌が腸管内での病原性菌の増殖を抑えたり, 腸管上皮細胞への病原性大腸菌の接着を阻止したりすることも報告されている1). 本菌はまた母乳栄養児の腸管下部における最優先菌であり, 乳児の健康維持にも極めて重要な役割を演じていると考えられている. これらの背景から母乳についての研究に端を発した「ビフィズス因子」に関する研究が古くから行われ, 幾つかのオリゴ糖がビフィズス菌の増殖に有効であるとされている. 天然に存在する代表的なオリゴ糖としては大豆に含有されている糖類をそのまま抽出したオリゴ糖が挙げられ, これを摂取することで腸内のビフィズス菌が増加することが報告されている2). 一方で様々な酵素の機能を利用して合成されたオリゴ糖にもビフィズス菌の増殖に有効であるものがいくつか報告されている. β-フルクトフラノシダーゼによって合成されるラクトスクロースは, これを摂取することで有意に腸内のビフィズス菌が増殖すると報告されている3). このようにすでに存在する糖に酵素の様々な機能を利用して修飾を施すことにより, ビフィズス菌の増殖にとって有効なオリゴ糖が合成されている. そしてこれらのうちの幾つかはすでに商品化され, 市場に出回っている. |
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ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.73.7_403 |