ピリジンヌクレオチドの酸化とミトコンドリア膜透過性変化(mitochondrial permeability transition)

単離ミトコンドリアを様々な酸化剤で処理すると, ミトコンドリア内膜の透過性が増大し, 分子量1,500までの溶質を透過させるようになる. このミトコンドリア膜透過性変化(mitochondrial permeability transition:MPT)は, all-or-nothingの性格を示すことからporeの開口によるものと考えられている1). Poreの開口はミトコンドリアの膨潤, ミトコンドリア内膜の脱分極, 酸化的リン酸化の脱共役, 細胞死へと導く. MPTによる細胞死は, 虚血時の細胞死から酸化剤によって誘導される細胞死, アポトーシスにいたる幅広い細胞死との関連で注目されてお...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1999/05/25, Vol.73(5-6), pp.312-314
Hauptverfasser: 梅澤, 智佐江, 新, 真理子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:単離ミトコンドリアを様々な酸化剤で処理すると, ミトコンドリア内膜の透過性が増大し, 分子量1,500までの溶質を透過させるようになる. このミトコンドリア膜透過性変化(mitochondrial permeability transition:MPT)は, all-or-nothingの性格を示すことからporeの開口によるものと考えられている1). Poreの開口はミトコンドリアの膨潤, ミトコンドリア内膜の脱分極, 酸化的リン酸化の脱共役, 細胞死へと導く. MPTによる細胞死は, 虚血時の細胞死から酸化剤によって誘導される細胞死, アポトーシスにいたる幅広い細胞死との関連で注目されており, MPTporeの調節機構についての研究が進められている. Constantiniらは2), ラット肝ミトコンドリアを用いてMPTporeの調節を研究した. MPTporeの開口はシュクロースの透過による膨潤を540nmの吸収から測定した.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.73.5-6_312