実験的ステロイド白内障とビタミンEとの関連性
副腎皮質ホルモン(ステロイド)剤は抗炎症作用, 抗アレルギー作用, 免疫抑制作用などを示し, 臨床的に種々の炎症性疾患, 自己免疫疾患, 臓器移植後の拒絶反応の抑制などに用いられている. 1960年, Blackら1)はステロイド剤を1年以上, 大量に服用した慢性関節リウマチ患者に, 水晶体後嚢下に白内障が高頻度に発症することを認め, ステロイド剤の副作用のひとつとして白内障が発症することを最初に報告した. その後, 慢性関節リウマチ患者ばかりでなく, ネフローゼ症侯群, 慢性気管支喘息などの患者においても, ステロイド剤の長期, 大量服用による後嚢下白内障の発症頻度は高いことが報告されている...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 1998/10/25, Vol.72(10), pp.501-513 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 副腎皮質ホルモン(ステロイド)剤は抗炎症作用, 抗アレルギー作用, 免疫抑制作用などを示し, 臨床的に種々の炎症性疾患, 自己免疫疾患, 臓器移植後の拒絶反応の抑制などに用いられている. 1960年, Blackら1)はステロイド剤を1年以上, 大量に服用した慢性関節リウマチ患者に, 水晶体後嚢下に白内障が高頻度に発症することを認め, ステロイド剤の副作用のひとつとして白内障が発症することを最初に報告した. その後, 慢性関節リウマチ患者ばかりでなく, ネフローゼ症侯群, 慢性気管支喘息などの患者においても, ステロイド剤の長期, 大量服用による後嚢下白内障の発症頻度は高いことが報告されている2)-6). また, 腎移植後の拒絶反応抑制のためにステロイド剤を長期, 大量服用した患者に後嚢下白内障の発症が高頻度で認められている7-11). 最近, 腎臓ばかりでなく, その他の臓器(例えば肝臓, 心臓, 骨髄)の移植も行われるようになり, 免疫抑制剤と共にステロイド剤の大量投与を行う機会が多くなってきている. ステロイド白内障の発症機序の解明はin vivoやin vitroの実験的ステロイド白内障モデルにおいて行われている. |
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ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.72.10_501 |