食品中の葉酸の定量法 : Trienzyme処理を中心として

最近10年間, 葉酸の至適栄養状態の重要性への関心が高まってきている. 例を挙げれば, 葉酸(pteroyl-glutamic acid)投与による胎児の神経管欠損症(neural-tube defects:NTDs)の頻度の低下1)や, 血液中のホモシステイン(Hcy)濃度の増加に起因する閉塞性循環器障害の防止2)などである. 1992年にU. S. Public Health ServiceはNTDsを防ぐため, 妊娠可能年齢の女性は1日の葉酸摂取量を400μg以上にするよう推奨している3). これに呼応して, 連邦食品薬品省(Food and Drug Administration, U...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1998/09/25, Vol.72(9), pp.429-436
Hauptverfasser: 相曽, 健二, 水野, 安晴, 田村, 庸信
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:最近10年間, 葉酸の至適栄養状態の重要性への関心が高まってきている. 例を挙げれば, 葉酸(pteroyl-glutamic acid)投与による胎児の神経管欠損症(neural-tube defects:NTDs)の頻度の低下1)や, 血液中のホモシステイン(Hcy)濃度の増加に起因する閉塞性循環器障害の防止2)などである. 1992年にU. S. Public Health ServiceはNTDsを防ぐため, 妊娠可能年齢の女性は1日の葉酸摂取量を400μg以上にするよう推奨している3). これに呼応して, 連邦食品薬品省(Food and Drug Administration, USA)は, 1998年1月1日から穀類製品には100g当たり140μgの葉酸を添加しなければならない, という法律を制定した4). この葉酸添加は米国におけるNTDs発生率の減少をもたらすであろうと予想されているが, これが血液中のHcy濃度を下げ, 閉塞性循環器障害の発生率の減少をもたらすかどうかについては, 今後の経過をみなければならない. 葉酸の摂取量を上げるためには, 主食への葉酸の添加が効果的かつ経済的であると思われるが, 葉酸添加のされていない食品からの摂取量の増加が理想的である.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.72.9_429