酢酸エチル・ヘキサン抽出-HPLCによる食品中のビタミンD定量法

「緒言」 食品中のビタミンD(以下Dと略す)は含量が少ないため, 試料をけん化後, 不けん化物を抽出し, 最初の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分取による精製を行い, さらに条件の異なる高速液体クロマトグラフィーによって定量するのが日本の公定的な方法1)~3)である. しかし, この一連の分析操作は時間がかかり, 熟練を要する欠点があった. 特に不けん化物の抽出操作は分液漏斗を用いるため, 多試料の処理が困難であり, さらに労働安全衛生上好ましくないベンゼンを用いるため, 簡略な操作と適当な抽出溶媒の選択が望まれていた. われわれは食品中のレチノール4)やトコフェロール5)の定量で,...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1994/06/25, Vol.68(5-6), pp.303-307
Hauptverfasser: 森田, 公平, 福澤, 有紀子, 小高, 要, 氏家, 隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 食品中のビタミンD(以下Dと略す)は含量が少ないため, 試料をけん化後, 不けん化物を抽出し, 最初の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分取による精製を行い, さらに条件の異なる高速液体クロマトグラフィーによって定量するのが日本の公定的な方法1)~3)である. しかし, この一連の分析操作は時間がかかり, 熟練を要する欠点があった. 特に不けん化物の抽出操作は分液漏斗を用いるため, 多試料の処理が困難であり, さらに労働安全衛生上好ましくないベンゼンを用いるため, 簡略な操作と適当な抽出溶媒の選択が望まれていた. われわれは食品中のレチノール4)やトコフェロール5)の定量で, 酢酸エチルn-ヘキサン混液による不けん化物の抽出法が, 操作性に優れ, 高い回収率を示すことを実証した. そこでD定量に酢酸エチルn-ヘキサン混液の適用の可能性を検討し, 目的に適うことが確認できたので報告する. 実験方法 1. 試薬 n-ヘキサン:HPLC用. エチルエーテル, 酢酸エチル, アセトニトリル, メタノール:残留農薬試験用.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.68.5-6_303