基底膜合成と細胞分化におけるアスコルビン酸の役割

「1. はじめに」 動物組織を形成している細胞はバラバラで存在しているのではなく, 緊密に接触して選択的な相互作用をしている. 同時に, 自らが分泌した巨大なタンパク質や高分子糖からなる網目構造(細胞外マトリックス)とも接触している. この細胞外マトリックスは細胞の間隙を埋め, 細胞が組織としての集合体を形成する過程を助けている. また, 骨や筋肉では組織の強度と柔軟性を保つために不可欠である. さらに, 腎臓では血液成分からタンパク質をこし分ける膜としてさえ機能している. 器官形成, 創傷治癒, 神経網再成や血管新生の過程では, 細胞が移動(遊走)するための足場の働きもしている. 基底膜(b...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1992/08/25, Vol.66(8), pp.431-436
Hauptverfasser: 北川, 泰雄, 小野, 雅昭, 全, 〓
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 動物組織を形成している細胞はバラバラで存在しているのではなく, 緊密に接触して選択的な相互作用をしている. 同時に, 自らが分泌した巨大なタンパク質や高分子糖からなる網目構造(細胞外マトリックス)とも接触している. この細胞外マトリックスは細胞の間隙を埋め, 細胞が組織としての集合体を形成する過程を助けている. また, 骨や筋肉では組織の強度と柔軟性を保つために不可欠である. さらに, 腎臓では血液成分からタンパク質をこし分ける膜としてさえ機能している. 器官形成, 創傷治癒, 神経網再成や血管新生の過程では, 細胞が移動(遊走)するための足場の働きもしている. 基底膜(basement membrane)はこのような細胞外マトリックスの一種で, 上皮(epithelium)や内皮(endothelium)層の下に膜状構造体を形成し, 体内随所での組織形成に寄与している. FIG. 1に多様な上皮(内皮)層構造をまとめて説明するためのモデルを示した.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.66.8_431