キサンチンオキシダーゼは直接OH-ラジカルを産生するか?また虚血時に本酵素は増加するか?

キサンチンオキシダーゼ (XO) はスーパーオキシドラジカル (O2) を産生することでよく知られているが, 本酵素がO2だけでなく, より強い酸化力を持つ・OHをも直接産生するというKuppusamyとZweierの報告が論議を呼んでいる. 彼らはキサンチン (X) を基質とし, XOによって尿酸 (U) に酸化される際に生じる活性酸素をスピントラップ剤DMPOでトラップして, そのEPRシグナルの解析から得られる以下のような結果をその論拠としている. (1) XとXOの反応によりO2がトラップされたDMPO-OOHと・OHがトラップされたDMPO-OHに由来する2種のスペクトルが観察される. (2) CH3CH2OHや (CH3)2SOを共存させるとDMPO-OHのシグナルが減少し, 代りに・OHによってそれらからH原子が引き抜かれたと考えられる・CH2CH2OH〔1〕やCH3・をトラップしたDMPO-CH2CH20HやDMPO-CH3が生じる.