3. ピロロキノリンキノンの生化学的ならびに生理学的機能

新規な補酵素ピロロキノリンキノン (PQQ) の化学構造が1979年に決定されて以来, PQQの物質代謝上での重要性が指摘されるようになった. 特にグラム陰性細菌でPQQを補酵素とする酵素 (キノプロテイン) が多数報告され, ピリジンヌクレオチドやフラビンヌクレオチドに次ぐ酸化還元酵素の第3の補酵素とされている. PQQは自然界では真核生物から原核生物まで広く分布しており, 抗白内障作用, ビタミン作用, ラジカルスカベンジャー作用, 花粉発芽の促進作用あるいは微生物の生育促進作用などの報告もあって, 多方面から注目されている. 動物ではアミン酸化酵素やリジルオキシダーゼなどがキノプロテイン...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:ビタミン 1991-10, Vol.65 (10), p.505-510
Hauptverfasser: 足立収生, 飴山實
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:新規な補酵素ピロロキノリンキノン (PQQ) の化学構造が1979年に決定されて以来, PQQの物質代謝上での重要性が指摘されるようになった. 特にグラム陰性細菌でPQQを補酵素とする酵素 (キノプロテイン) が多数報告され, ピリジンヌクレオチドやフラビンヌクレオチドに次ぐ酸化還元酵素の第3の補酵素とされている. PQQは自然界では真核生物から原核生物まで広く分布しており, 抗白内障作用, ビタミン作用, ラジカルスカベンジャー作用, 花粉発芽の促進作用あるいは微生物の生育促進作用などの報告もあって, 多方面から注目されている. 動物ではアミン酸化酵素やリジルオキシダーゼなどがキノプロテインであると報告されたが, TOPA (6-hydroxydopa) とする説も提出され, PQQの研究は昨今いよいよ活気をおびはじめた. したがって, 生体内での生化学的ならびに生理学的機能を明らかにすることは非常に重要である.
ISSN:0006-386X