ケイ光-高速液体クロマトグラフ法によるヒト尿中ニコチンアミド及びN1-メチルニコチンアミド定量への適用とそれらの日内変動に関する予備的検討

ニコチン(NiA)及びニコチンアミド(NiANH2)は, 補酵素であるNAD+及びNADP+の構成成分として重要なビタミンである. またN1-メチルニコチンアミド(MNA)は哺乳動物における NiA及びNiANH2代謝の主な尿中排泄物であり, HuffとPerlzweigによって初めてヒト尿中からその存在が報告された. またやけどや化学発がん物質の投与により尿中排泄が増加し, 逆にうつ病, 精神分裂症や精神薄弱の患者の尿中排泄は少ないことが報告されている. MNAの定量法に関しては多くの報告があり, 特にケイ光光度法についてはNajjarとWoodの方法を基本に種々改良が加えられているが, 生...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1988-03, Vol.62 (3), p.145-148
Hauptverfasser: 平川晃久, 宇田和彦, 渡辺徹志, 福井昭三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ニコチン(NiA)及びニコチンアミド(NiANH2)は, 補酵素であるNAD+及びNADP+の構成成分として重要なビタミンである. またN1-メチルニコチンアミド(MNA)は哺乳動物における NiA及びNiANH2代謝の主な尿中排泄物であり, HuffとPerlzweigによって初めてヒト尿中からその存在が報告された. またやけどや化学発がん物質の投与により尿中排泄が増加し, 逆にうつ病, 精神分裂症や精神薄弱の患者の尿中排泄は少ないことが報告されている. MNAの定量法に関しては多くの報告があり, 特にケイ光光度法についてはNajjarとWoodの方法を基本に種々改良が加えられているが, 生体系ではNAD+及びNADP+による妨害があり, 余り良い方法がなかった. そこで著者らはClarkらのケイ光反応を尿試料に適応できるように改良して, MNAからケイ光物質である2-methyl-6-phenyl-2, 8-dihydro-8-oxo-2, 7-naphthyridineに導き, さらに陽イオン交換樹脂を用いる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により妨害物質と分離後, ケイ光検出器で分析する特異性及び感度ともに高い方法を開発した. そこで今回NiANH2及びMNAの尿中排泄量並びにそれらの日内変動について検討したところ興味深い結果が得られたので報告する.
ISSN:0006-386X